2015年国勢調査の速報値によると、外国人を含む日本の総人口は、2015年10月1日時点で1億2711万人。2010年の前回調査から94万7305人減り、1920年の調査開始以来、初めてマイナスに転じた。国交省の「国土の長期展望」によると、2050年には9500万人となる。

地域とのしがらみや摩擦を最小化しながら、自分たちの好きなように過ごす。開放された自由な環境。一方で、若い夫婦を軸とした核家族が中心のニュータウンは、同世代、同属性の人々が集住しているため、高齢化が急激に進行する。同じ時期に退職を迎え、同じように高齢化し老いていく。そして同じような子供世代の多くは独立して街を去り、夏休みや正月に孫たちが訪ねてくる街になる。残るのは高齢の親世代。

昼間でも人通りは少なく、ひっそりと静まりかえっている。町を歩けば公明党か共産党のポスターばかり。一角を除いては家も少なく、空地とやたら広い道路が目立つ。十年前には異業種まで含めた自動車産業の世界的再編により、ホンダの研究開発拠点は閉鎖された。人けのない家々には、子供の自転車など生活の跡がそのまま放置されている。壁がめくれたり雑草が茂ったり、売るに売れず放置される家。借りたい人を見つけるのも難しい。今では崩壊を待つだけのオールドタウン。

「計画していた売り上げに達しなかった。」大手スーパーは既に撤退し、買い物困難地域となっている。一日の売り上げ、通行量や顧客の変化、チェーン店の経営姿勢はシビアだ。数年前に店じまいしたスーパーの空き店舗前には、大音量の音楽とともに移動販売車がやってきた。この場所には週に1～2回のペースで巡回しているらしい。2ｔトラックにはたくさんの生鮮食品、今か今かと待ち構えていたお客さんが集まってきた。

かつて、市民の足として期待されていたLRTはもうない。赤字を抱える全国の第3セクターがそうであるように、「宇都宮ライトレール株式会社」にも、市から出向してきたのは鉄道経営の経験のない人たちばかり。自治体と民間企業の混成部隊ゆえの曖昧さ、しがらみ、責任所在の不明確さ、政治力学。利用者は予測を大幅に下回り赤字が累積、莫大な初期投資も経営を圧迫した。宇都宮市が巨額の税金投入で経営支援したものの、耐えきれずに経営破綻。廃線が決定、市議会も同意した。

ここかな？国道の脇をゆっくり歩いていると、廃線跡と思われる場所が確認できた。今は緑地帯になっており当時の面影はない。通りに面した錆びついた看板には「住めば愉快だ宇都宮」と、かろうじて読み取れる色褪せた文字が書かれていた。

と、昨夜、ゆいの杜の夢を見ました・・。