BSTマンション(超高層住居専用、築12年、600戸)は、弁護士を管理組合顧問として採用した。
東京弁護士会はマンション管理士の資格を有する弁護士を管理組合に紹介しておりその一環である。
半年後、理事長はこの弁護士を外部理事に選任した。
国交省の標準管理規約は、専門家の活用を挙げている。
理事会は素人集団だから管理規約や区分所有法及び関連法を正しく解釈できる専門家の起用は望ましいといえる。
企業顧問の大きな目的は、紛争処理よりも紛争を未然に回避する事にある。
管理組合顧問も同様の効果が期待される。
しかし、この弁護士が、弁護士の利益追求に走ったらどうなるか。
その恐れはないのか。
この板はBSTマンションでの事例を参考に皆さんで考えることを目的とする。
まずは、報酬問題から考えてみたい。
マンションでは以下の報酬を支払っている。
これが妥当なのか。
顧問報酬 月額162,000円
業務 法律顧問(月一回の理事会出席、電話メールによる相談)。
理事報酬 月額216,000円+日当半日54,000円(月額270,000円)
業務 法務担当理事(月一回の理事会出席、議決権無し)
[スレ作成日時]2019-09-23 17:43:51
マンション管理組合の顧問は必要か
278:
匿名さん
[2024-02-19 10:24:15]
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条文
(利益相反取引の防止)
第37条の2 役員は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
一 役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき。
二 管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとするとき。
コメント
第37条の2関係
役員は、マンションの資産価値の保全に努めなければならず、管理組合の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益を図ることがあってはならない。とりわけ、外部の専門家の役員就任を可能とする選択肢を設けたことに伴い、このようなおそれのある取引に対する規制の必要性が高くなっている。そこで、役員が、利益相反取引(直接取引又は間接取引)を行おうとする場合には、理事会で当該取引につき重要な事実を開示し、承認を受けなければならないことを定めるものである。
なお、同様の趣旨により、理事会の決議に特別の利害関係を有する理事は、その議決に加わることができない旨を規定する(第53条第3項)とともに、管理組合と理事長との利益が相反する事項については、監事又は当該理事以外の理事が管理組合を代表する旨を規定する(第38条第6項)こととしている。
解説
コメント内の直接取引とは第一号を、間接取引とは第二号に当てはまる取引を指す。平成28年改定により標準管理規約では外部役員を選任できるようになったため、利益相反取引に関する条項を追加したが、外部役員のいない管理組合にとっても利益相反取引に当てはまる時は、細心の注意を持って当たる必要がある。
利益相反取引の具体例のうち直接取引とは、理事長が取締役である建設会社に工事を発注するなど。その価格が適正であっても管理組合と建設会社の利益が相反するため利益相反取引とみなされる。また間接取引とは、理事長が組合のお金を担保としてお金を借りる時など。その時は理事会で重要な事実を開示して承認を受けなければならない。
管理組合は利益相反取引に関しては損害が発生しないようにかなり注意を必要とする。場合によっては損害賠償の対象ともなり得る。
参照条文等
民法 第108条
同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りではない。
マンション管理適正化指針
二
6 発注等の適正化
管理業務の委託や工事の発注等については、利益相反等に注意して、適正に行われる必要があるが、とりわけ外部の専門家が管理組合の管理者等又は役員に就任する場合においては、マンションの区分所有者等から信頼されるような発注等に係るルールの整備が必要である。
標準管理規約第53条(理事会の会議及び議事)
理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。
2 次条第1項第五号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による。
3 前2項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。
標準管理規約第38条
6 管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する。