ただ今、建築請負工事の裁判をしています。
社名を出すのは裁判に不利とのことを聞きました。
名誉毀損が成立してしまうのと、今後の裁判に関して不利だと
いうことでした。
腹が立って夜も眠れない毎日を送っていますが、他に建築
請負工事の裁判をしている方等いたら、色々と情報を教えてもらえたら
有難いと思います。
[スレ作成日時]2011-09-25 21:10:43
新潟の業者と裁判中
78:
弁護士です
[2011-11-04 18:01:46]
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さすがにこれは回答しにくいのですが、以下一般論としてアドバイスします。
法律というのは、「要件」⇒「効果」というツクリをしているものです。
スレ主さんは、建築業者と建物請負契約を締結して120万円払った。
しかし、それを解除して120万円の返還請求をしている。
という場合、「120万円の返還」という効果をもたらす事実は
① 契約後、請負業者が、請負契約に定めた仕事をせず(たとえば決められた期日までに確認申請しなかったりに、工事着工しなかった)かつ、催促をしてもそれをしなかった、という事実があれば、契約解除=白紙撤回という効果が発生するので、「120万円を返せ」という効果が発生します。
この場合、原告である注文者が、請負人が請負契約に定めた義務を履行しなかったことを主張してかつ証拠でそれを証明することが必要となります。
② また、請負契約に明確に書いていない場合でも、たとえば「被告には、施主である原告に設計変更の打診をせず、設計図書、見積書、工程表を速やかに交付せず、無断で設計内容を変更するなどの付随的債務の不履行があり、その不履行は、施主である原告に対する著しい背信行為であり、これにより原告被告間の信頼関係は破壊されている」と認められるような場合にも、請負契約の解除が認められています。(名古屋地裁平成18年9月15日判決)
③ さらに以前に書いたとおり、注文主は、請負契約後、建物完成までの間はいつでも相手の損害を賠償して、契約を解除できます。
この規定に基づいて契約解除を主張し、契約金の返還を求めるということが考えられます。
この場合、請負人に損害があったこと、あるいは損害賠償の額について違約金(たとえば契約金は没収できる)は、請負人が主張してかつ証拠で証明することが必要となります。
典型的には、この3つが争い方となりますが、この「契約の白紙撤回」という「効果」をもたらす「要件となる事実」以外のことを裁判の場で主張しても、あるいはそういう証拠をだしても(たとえば以下に請負人が信用できないか)、それは無意味なことです。
以前からの投稿を拝見して、①または②をめざしておられるようなのですが、「請負人に契約上の義務の不履行があったのか」それとも「著しい背信行為といえる行為があったのか」「それはなにか」「そういう契約不履行や背信行為の証拠としてはなにがあるか」ということを明確に主張し(つまり準備書面に書く)かつそれを裏付ける証拠を裁判所に提出しなければなりません。
それができる事案でしょうか。弁護士を依頼しているのなら、ぜひこの点を聞いてみてください。
そこが弱いのであれば、③の、一定の損害金は払って解除する方向を模索しないといけません。
この種の建築紛争の多くの場合、先方にも言い分があるので「10対ゼロ」という場合はあまりないことを、お気持ちには反するかもしれませんが、知っておいていただきたいと思います。(私がなぜ、こんな仕事と関係ないことに投稿しているかというと、私自身も以前に、なんとなく住宅展示場に行ったら大手住宅メーカーの営業マンに強く勧められて、押しの強さと、「今月中に契約してくれれば値引き」という攻勢に負けて、よく分からないままに、初対面から2週間くらいで請負契約をしてしまい、いろいろあって、かなりな額のお金を払って解約したことがあるからです。「紺屋の白袴」で恥ずかしいですが。よい解決が早期にできますように。)