先日、区分所有者としてマンションの共用施設の利用を申し込んだら、
「区分所有者でも、居住中でない場合は、共用施設を利用できなくなりました」と
言われ、管理会社に共用施設の利用を拒否されました。
現在、私は区分所有者、部屋は賃貸として貸しに出しており、占有者がおります。
過去、管理費など滞納したことは一度もありませんし、
区分所有法で言う「著しく他の区分所有者に損害を与える」様なことは
もちろんしておりません。
法律的にも、共用施設の利用を禁止するには、明確な理由と3/4以上の
区分所有者の賛成が必要、かつ弁明の機会を与え、、、 と書いてありますが、
「理事会で決まった」という理由一つで、決定してしまったようです。
この決定は、何も私個人の共用施設の使用権利ではなく、
外部に居住している区分所有者(つまりは、賃貸に出しているオーナーですね)
全員の使用を禁止にしたそうです。
そこに居住している、していないにかかわらず区分所有者としての
区分所有権があり、共用施設を利用する権利があると思うのですが、
この理事会(総会ではないです)での決定は法的に無効ではないのでしょうか?
[スレ作成日時]2009-01-29 14:53:00
区分所有者の共用施設の利用を禁止する権限があるのか
214:
匿名さん
[2009-02-08 17:07:00]
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私のマンションの規約は、理事会の決議事項として、「共用部分の管理に関する事項」を明記している。これが普通だと思う。
共用施設の利用方法を含めた共用部分の管理に関する事項については、骨子を規約で定め、細部を使用細則で定めるのが普通であるが、全てを使用細則で定めきることは難しく、実際には、適宜、臨機応変に判断しなければならないことがあり、理事会の決議事項としているわけである。
共用部分の管理に関する事項の決定権限を理事会に委ねることはできないという人がいるが、それは間違い。そのようなことを言う人は、実際のマンション管理規約を読まずに、想像で書いているだけだろう。
理事会は、規約と使用細則を前提に、それに反しない範囲で、自由に管理に関する事項を決定することができる。その意味で、理事会の権限はかなり強い。
さて、ここで重要なのは、理事会が決定するとしても、「規約と使用細則」に反してはならない、という点である。理事会の決定は、あくまでも「規約と使用細則」に反しない範囲で、という限定があるのであり、「規約と使用細則」に反する決定は、無効となる。
では、スレ主のマンションの理事会の決定は、有効だろうか。無効だろうか。
スレ主のマンションは、規約か使用細則で、共用施設を利用できる者として、「区分所有者」と「占有者」が併記されているようであるが、区分所有者については「現に居住する」という限定は加えられていない、とのこと。このスレ主のマンションの規定をどう解釈するか。
一つの解釈は、「現に居住する」という限定がない以上、居住していない区分所有者、賃貸に出した区分所有者も、利用権者から除外されていない、と考える(A説)。
もう一つの解釈は、第三者に賃貸に出してしまった区分所有者は、賃借人を通じて共用施設を利用している(利用できる立場にある)と考え、「賃貸に出した区分所有者でも利用できる」という明文がない限り、自分自身はもはや共用施設を利用することはできない、と考える(B説)。
規定をどう解釈するかは、つきつめれば、意思解釈の問題ということになる。分かり易く言うと、規定の解釈とは、当該規定をつくった人がどういつもりでつくったのか、ということを明らかにする作業ということである。ただ、そこでいう「当該規定をつくった人」が、マンションの規定(規約、使用細則)の場合は、多数となり、しかも、個々具体的な人間を想定するのではなく、当該マンションを購入する属性下の人間というおおざっぱなくくりを設定はするかも知れないが(この点は私自身は若干疑問に思っている)、「一般通常人」という抽象化された人間を前提とする点で、例えば売買契約書の解釈(売主と買主が合意した意思の内容の解釈)よりは、ずっと難しい。文言が一番重要であるが(文理解釈)、それだけでは意思を推測することはできない。当該規定の前後関係及び規定全体の趣旨をも考慮して意思を推測する作業を行う。マンションとはなんぞや、という根源的な問題も影響する。
文理解釈をつきつめるとA説が出てくるが、区分所有者間の公平という視点に立つと、第三者に賃貸に出してしまった区分所有者についてまで共用施設の利用を認めるということが規定制定者の「意思」であったとは到底思えず、B説になる。
私はB説を採用するし、おそらく多くの人はそう考えるのではないか。このスレを読むと、賃貸に出した区分所有者が共用施設を利用することについて、理屈抜きに拒否反応を示す人が多いように感じるが、その感覚が多数であるのであれば、まさに、そういった感覚を持つ人がマンション購入における「一般通常人」であると言うことができ、B説を採用する根拠となるものである。
そうすると、スレ主のマンションの理事会の決定は、当然の決定をした、ということになり完全に有効ということになる。
なお、A説とも、B説とも、結論がつかないという場合はどうなるか。この場合は、そのようなお互いに矛盾する二つの解釈の余地のある規定の有権的解釈権限が、共用部分の管理に関する事項の決定権限の一部として、理事会に与えられている、と考えることができるのではなかろうか。この立場に立つと、スレ主のマンションの理事会は、上記の有権的解釈権限を行使した、とみることができ、やはり有効ということになる。
規約・使用細則の文言の解釈の根底をなす一般通常人の感覚、言葉をかえれば「常識」について、色々考えさせるれスレだと思う。とても、ためになった。