広告を掲載

第6回 気密が高いと苦しくなる?!気密をしない方が実は怖い!!

  • facebook
  • twitter
  • hatena
  • LINE

回は、今や設置が義務となっている換気扇の選び方についてのお話をしました。今回はこの換気扇を有効に利用するためには、実は気密と言うものがとても大事だと言うお話を致します。

気密については色々憶測やイメージなどで誤解の多い部分もありますので、一緒にその誤解についてもお話しようと思います。

気密が高いと苦しくなるは本当?

一部の営業マンなどで家の気密性能が高くなると息が苦しくなると言う、信じられないようなデマを流すヒトがいるようです。当然、気密性能を上げると外部からの圧力変動を抑制する効果がありますので、圧力変動に敏感な方は違和感を感じることはあると思います。

特に飛行機に乗ったりすることで、圧力変動があると頭が痛くなるような敏感な方は違いを感じる場合があるでしょう。しかし、この事と「息が苦しくなる」ことは全くの別物です。まずは、自分のイメージ先行でこのような適当なことを言う営業マンには振り回されないように注意する必要があります。真空状態でも出来ると思っているのでしょうか??全く困ったものです。

そもそも何故気密が必要なのか?

そもそも気密性能とは、何故必要なのでしょうか?もし本当に不要なものなのであれば、わざわざ誰も気密性能を高めようとはしないでしょう。施工的にも結構手間の掛かることです。それが手間を掛けても、実現しようとするのですからそれにはそれなりの理由があるのです。その理由は大きく2つです。

1)気密性能が低いと換気扇が機能しない
2)気密性能が低いと断熱の効果が薄れる

2)の理由はなんとなく分かると思います。イメージとして隙間風を考えてもらえたらと思います。隙間の多い家は折角断熱しても隙間から熱が出入りしてしまいます。これは簡単ですよね。

1)の理由について、すぐにピンとくる方は少ないと思います。しかし、こちらの方がむしろ重要で、気密がきっちりと出来ていない家では、換気扇が殆ど機能せず、かえって空気の入れ替えが出来なくなってしまいます。その結果、家の中にハウスダストや二酸化炭素など健康に良くないものが溜まりやすくなってしまい、健康に影響を及ぼすようになってしまうのです。

何故、気密性能が低いと換気扇が機能しなくなってしまうのか、詳しく知りたい方は以下を参照して下さい。
https://www.towntv.co.jp/2012/11/post-63.php

中途半端な気密が一番怖い!!

気密性能が低いと換気扇がまともに機能しなくなります。ですので、一番怖いのが中途半端な気密性能の住宅なのです。

これは、外部との空気の入れかえをどのように考えるかなのですが、

『換気扇によって、機械のちからで外部との空気の入れ替えを行う場合』
→気密をしっかりとって隙間をなるべく少なくし、換気扇からの空気の出入りを確実にすることが必要

『昔のような隙間のかなり多い家』
→気密などと言う考え方もなく、自然に空気の入れ替えが行われる。

ここで、大切なことは『空気の入れ替えが出来ること』です。ですので、一番問題になるのは、中途半端な気密の建物です。

中途半端な気密なので、まずは空気を入れ替えるために義務となったハズの換気扇が機能しません。機能しないだけならまだいいのですが、中途半端に気密が良いので、隙間風もそれなりに減っている。なので、自然な空気の入れ替えがあまり行われない。

その結果、どうなるかと言えば、、、
家の中に汚れた空気がたまる!!!

実は、これがシックハウス症候群の原因となっていたのです。

一時期、世間を賑やかせたシックハウス症候群。実はこの原因は中途半端な気密によるものでした。日本の住宅は、欧米化が進むにつれ次第に隙間が少なくなってきました。実はこの時期、まだ気密住宅と言う言葉すらなかった時代に、既に知らず知らずのうちに気密化が進行していたのです。これを我々は意図しない気密化と呼んでいますが、この意図しない気密化のせいで、多くの人がシックハウス症候群に苦しむことになりました。

当時はまだ何も規制が無かったことから、人体に悪影響を及ぼすような匂いを発する接着剤が利用されていました。ここから発生する悪い物質も、隙間が沢山あった時代には知らぬ間に外に逃げていき、悪さをすることは少なかったのですが、知らぬ間に進んだ気密化のせいで、その悪い物質が家に溜まるようになります。

この家に溜まった悪い空気を沢山吸うことで、体の中に悪い成分がたまり、許容量を超えたヒトが頭痛や喉痛、目の痛みなどをうったえる症状がおきました。これがシックハウス症候群です。

今では接着剤の規制が出来、あからさまに人体に悪い影響を及ぼす成分を含んだ接着剤は使用できなくなりました。更に、家の中ではこのような成分が溜まらないように24時間稼働し続ける換気扇の設置が義務付けられるようになりました。

このようにして、中途半端な気密が横行したせいでシックハウス症候群にかかるひとが増えたのです。ですので、気密は程々で良いと言う人はこの辺の背景をなにも知らずに言っていると思われます。

兎に角、知っておくべきは
中途半端な気密は一番怖い!!
と、言うことです。

そして、機械換気を利用するならその
換気を有効に効かせるためにも高気密化が必須!!
と、言うことを知っておいて頂けたらと思います。

実は機械を使わない換気も存在する。そこでも気密化は重要!!

最近では、機械を使わない「パッシブ換気」なるものを推奨されている方もいらっしゃいます。このパッシブ換気、仕組みとしてはかなり高度なものですので、その是非は色々あるのですが、たとえ、このパッシブ換気を採用したとしても、それと同時に気密化は必要になります。

これとて、隙間を好き勝手に作るわけではなく、ある程度計算にのっとって隙間を作り、それで空気の出入りを予想しています。ですので、想定外の空気の出入りはむしろ邪魔なのです。この点も知っておくと良いでしょう。

今回は気密の重要性についてお話しました。これで、断熱に関して断熱や気密、換気扇についてのお話を一通りしたことになります。まだまだ詳細が伝えたりていない部分もありますが、もし更に詳細を知りたい場合は、プロアマ問わず、お問い合わせ下さい。プロの方にもコンサルティングを行っていますので。

次回からは、住宅の省エネに関するお話をさせて頂こうと思います。

【コラムニストサービス紹介】住宅CMサービス
「いい家を安く」を実現させるために、専門家の知識と経験を利用できるCMサービス。特に大阪で注文住宅を検討中の方に、ご検討いただきたいサービスです。詳しく知りたい方は「住宅CMサービス堺・和泉」ページをご覧ください。

太田 周彰 このコラムの執筆者
太田 周彰(オオタ ノリアキ)
大手ハウスメーカーの研究開発に所属し、住宅の断熱・気密・屋内の温熱環境に関する研究・商品開発に携わる。2008年から株式会社住宅みちしるべ一級建築士事務所設立。超高断熱住宅やZEH(ゼロエネルギー住宅)にいち早く取り組む。同時に近畿大学非常勤講師も勤める。

関連記事

コラムバックナンバー