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第10回 中古戸建てを購入する場合の価格交渉術とは(最終回)

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中古戸建てを購入する場合の「購入申込書」の内容はどうするべきか?

さまざまな物件を見てまわり、いよいよ購入したいと思う住宅が決まったところで、住宅 の売主に対して購入したい意思を書面で伝えることになります。このとき作成される書面 が「購入申込書」あるいは「買付証明書」などとして作成されるもので、これを売主に提示 することから、具体的な購入交渉が始まります。

この書面は、一般の買主が自ら作成するものではなく、通常は不動産仲介業者が作成し、 売主側に提示されます。おおよそ数千万円に及ぶ金額を提示する書面ですので、購入申込書 の書き方にもそれなりのノウハウがあります。

購入したいと決めた物件が、一般の方がそれまで住んでいた中古戸建てである場合には、 売主さんも一般の方になりますので、「ビジネスライクさ」と「プライベート感」の両面を 織り交ぜた書面内容にすると良いでしょう。ビジネスライクさとは、後述する値引き交渉術 のことであり、プライベート感とは「購入のあかつきには、大事に使わせて頂きます」とい う親密さを売主にアピールすることです。

前述しましたとおり、購入申込書の作成は、一般的には不動産仲介業者が行うものですが、 記載する内容については下記の交渉術を参考に、できる限り、買主である自らの意思として 記載する内容を仲介業者に伝えられるようにして下さい。買主としての具体的な意思や条 件などをはっきりと伝えないと、契約が成立し易い書面内容で、仲介会社が意図するままに 書面提示がされてしまう場合があります。

値引き交渉の金額には、「適切な値引き額であることの根拠」を提示する

中古建物においては、キッチンやトイレ、お風呂などの水回り設備は、見た目にも機能的 にも、劣化している場合が多いものです。また、雨風に晒され易いバルコニー部分や外壁の 継ぎ目の劣化なども修繕が必要な場合が多くなります。

その際に、修繕工事やリフォーム工事費用の見積もり金額が価格交渉の目安になります。 但し、売主に対して必要かつ適切なリフォーム工事費用の見積もりであるとして金額を示 せないと、売主側としましては、「あまり必要でない工事も入れるなどして、見積金額を膨 らませているのでは?」との疑念が生じ、必ずしも価格交渉のための適切な見積もり額とな らないことがあります。

そこで、一定の適正な基準に則った見積金額として、その提示ができるよう知っておいて 頂きたいものが、新しい制度である「安心R住宅」の登録事業者における修繕・リフォーム 基準に則った工事見積りです。

最近では中古住宅について、あえて少し呼称を変えて「既存住宅」と呼んでいますが、安 心R住宅として登録された既存住宅の場合、必要なリフォーム工事をあらかじめ行うか、あ るいは、安心R住宅登録事業者が作成する適切なリフォーム工事内容の見積もり書が添付 されることになります。

他方で、購入したいと思った中古戸建てが、この「安心R住宅」登録がされていない既存 住宅であったとしても、買主側からあえてこのような一定の基準に則ったリフォーム工事 等の見積金額を提示することにより、売主側に対して価格交渉がよりスムーズに行く場合 が多くなるものと考えられます。

このように、価格交渉とは、売主側も大事な資産を手放そうとしていますので、何の理由 もなく一方的に「いくら値引いて下さい」というよりも、きちんと値引きの理由を示して行 うことが大事なマナーであり、またビジネスライクな交渉術です。

人生に関わる「住まい選びのプロセス」において大事なことは?

従いまして、中古戸建てを購入したいと考えた場合には、適切な価格交渉を行うためにも、 「安心R住宅」の修繕・リフォーム基準に則った工事見積書の作成ができる工事業者、また は、そのような業者と付き合いのある不動産仲介業者に依頼してみてはいかがでしょうか。

その際に大事なことは、このような「安心R住宅」などの新たな制度なども含め、さまざ まに適切なアドバイスができる不動産仲介業者を選ぶことが何より大事なこととなります。 住まいに関する問題は、人生そのものに関わる問題ですので、住まい選びのプロセスにおい ては、何よりあなたの身になって、懇親的に住まいに関するアドバイザーとなってくれる仲 介業者を選べるかどうかにかかっています。このことは、新築住宅・中古住宅に関わらず大 事な要素です。

不動産仲介業者の選定で悩まれている方におかれましては、ご紹介ができる地域やエリ アに限りがありますが、小職にてアドバイスができることもございます。お気軽に、ご相談 ください。

ご拝読、誠にありがとうございました。
良き住まいとともに、良き人生がありますように。

不動産鑑定士 松本智治

松本 智治 このコラムの執筆者
松本 智治(マツモト トモハル)
不動産鑑定評価システム代表、不動産鑑定士。不動産仲介から戸建て建築、宅地造成、ビル再開発、賃貸アパート大家業、エリア調査まで、不動産に関わる現場を広く経験しているのが強み。

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