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第6回 家の気密・断熱性能を高める為の3種の神器

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づくりで、皆さまが気にされるであろう所、知っておきたいポイントをピックアップしてこのコラムでご紹介していますが、6回目は気密・断熱性能の話をしていきたいと思います。

先ずは、知識として設備の話をさせて頂きます。

設備ですので、これからお伝えしていくことを全てやろうと思うと、会社によっては、標準仕様の設備からの費用UPが200~300万円ぐらい必要になる可能性もあります。

ですので、間取りの縮小や家の総額の検討も含めて、『なにが重要で、何をあきらめるか?』を考えないといけないかもしれません。

また今回のような話をすることで、読者さんが、そこ(数値や設備)だけに意識が向いてしまう事も考えられますが、例えば、家づくりはデザインでも気密・断熱の対策は出来ます。

このコラムの最後に『本当に高気密・高断熱が必要か??』という話もお伝えしていきますので、それぞれにお考えて頂ければと思っております。

気密・断熱性能を高める為の3種の神器

結論からお伝えしますが、気密・断熱性能を高める為には、以下の3つの設備を検討して頂くと良いと思います。

【気密・断熱性能を高める3種の神器】

■ 第一種換気システム

■ 吹付断熱

■ 樹脂サッシ

の3つです。

基本的な知識も含めて細かい説明もしていきますので、もし、良いな~と思ったら、それぞれで、より調べていって頂ければと思います。

最後は施工品質と現場の経験値!

…と、その前に、とっても大切な話があるので、もう少しだけ基本的な話をさせて頂きますね^^;

気密・断熱性能の考え方は、

■ 家の設計をする。

■ 設備や材料を見直す。

■ その後、施工(現場)をしっかり行う

の流れが大切です。

設備や材料に関しては、これからお話しをしていきますが、極論を言えば、“採用する?しない?”だけになりますが、最終的には会社の施工能力が大切です。

例えば、もし、家づくり検討者さんが、どこよりも高いレベルの気密・断熱性能を求めるのであれば、そういった気密・断熱性能に特化している会社さんを選ぶ必要があるぐらい、最終的には施工能力が大切です。

実は、今の家づくりにおいて、気密・断熱性能を考える時の一番のポイントは、

気密性能(=現場品質)を如何に出せるか?

です。

調べていただければ解りますが、色々な所で、この気密性能の大切さが謳われています。

断熱性能は、設計(計画段階)で計算ができ、しかも全体的にどの会社も高くなっているため、

■ 断熱は設備や部材、厚みの検討をする。
=設計で高い断熱性を出す

は比較的簡単に出せる時代です。そんな時代だからこそ、後は現場品質が大切になるということですね。

その際、現場品質を測る一つの方法として気密測定があるのです。

気密測定は現場の経験値を上げる

因みに、

お客様:『家はZEHをクリアできるレベルで良いよ~』*ZEHの基準に気密性能はありませんが^^;

というレベルであれば、設備を満たしたあとは、

■ 過去に気密測定をしたことがあるか?

■ その気密測定の数値は??

がポイントになってくるかと思います。

はい、気密測定を経験した会社さんは、

現場で『どこで空気がもれるか?もれやすいか?』の大よそがわかるため、その後の対応をしてくれやすいのです。

当然ですが、自宅でも“気密測定をする!”が必要になり、また、『気密測定をしたい!』という話は、契約前その意思を伝えておきましょう。(測定費用は、ザックリですが10万円前後ぐらいかと^^;)*もちろん、経験のある現場監督さんでお願いするようにしましょう。

今回のコラムは気密性能を高めるためには??とも言えるぐらいの話にもなっています。

気密・断熱性能を高める①:第一種換気システム

前提が長くなってしまいましたが、本題に入っていきますね。

気密・断熱性能を高める3種の神器の一つ目は、

① .24時間換気システムです。

【24時間換気システム】:住宅のシックハウスの問題から、2003年7月以降、換気設備の取り付けが義務付けられており、2時間に一回は、家の中の空気を入れ替えるようになっています

考えて頂きたいのが、

■ 標準で家についている第三種換気システムから、第一種換気システムの導入

です。

少しややこしく感じるかもしれませんが、簡単ですので、以下に3つの換気システムの違いのイラストを載せておきます。

*第二種換気は住宅では、ほぼつかわれていないため割愛します。

第一種換気システムとは、要するに、空気の出入りを機械をつかって強制的に換気するという仕組みです。

多くの会社さんの標準仕様は第三種換気システムですが、こちらの変更を検討して頂くと良いかと思います。

第一種換気システムのメリット

第一種換気システムには、色々な機能がついていますので、簡単に説明をしていきますね。

メリット:熱交換

イラスト:熱交換システムの説明

例えば、冬場、外気温度が0℃、室内温度が20℃の場合、

第三種換気システムのように、室内の20℃の空気をそのまま外に出して、外の0℃の空気をそのまま入れる、ということはせずに、外から取り入れる0℃の空気、中から出る20℃の空気と熱交換を行い、中に入る空気を16℃ぐらいまで上げて取り込む事が出来ます。

この熱交換機能が第一種換気システムには付いているので、家の熱効率が格段にあがります

結果として、家の中の温度差が無くなり、光熱費の削減にもなります

また、

メリット:気密性能の向上

第三種換気システムと違い、家の外壁部分(各居室部分)にボコボコと穴を開けず、基本的には空気の出入り口を一か所ずつにします。

はい、それだけでも気密性能はあがります

メリット:空気環境

また、花粉フィルターや埃フィルター、その他のフィルターが付いていることも多く、第三種と比べて、家の中の空気環境の改善もできます

埃が溜まりにくく、掃除が楽になったり、花粉症の人が快適に過ごせたり、メリットも大きかったりします。
*人が生涯で摂取する6~7割の物質は空気、だと言われていたりもしますね。
*中には除湿機能が付いていて、夏場の体感温度を下げるものもあったりします。

この換気システムの導入を考えて頂ければと思います。

気になる費用UPは、どのような第一種換気をつけるか?メーカーは?等にもよりますが、40~80万円ぐらいの予算UPで取り付けることが出来るようです。

*全館空調とは違いますので、そこはご認識の程を^^;

気密・断熱性能を高める②:吹付断熱

気密・断熱性能を高める3種の神器の二つ目は断熱材です。

② .吹付断熱

今は、各会社さんで色々な断熱材を採用している現状があり、グラスウール一辺倒だった昔とも違いますので、ここの説明は少し古い感覚もあります。

また、ハウスメーカーさんの殆どは、まだグラスウールを採用されているかと思いますが、こちらも細かい改善がみられ、

■ 昔のように断熱材がズレ落ちないような工夫

■ グラスウールの密度(性能)の向上

なども見受けられ、ダメという話でもありません。

断熱材の中では、一番安いというメリットがあるので選択肢として当然にありかと思います。

という前提の上で話をしますが、

現場品質(気密性能)も兼ね備えている断熱材をあげるとすると、

発砲系の断熱材=吹付断熱

かと思います。

“吹付断熱”で動画検索していただければわかりますが、現場で断熱材が膨らみ、隙間を埋めていくので、当然ながら気密性能は上がりやすいく、また施工がとても簡単なため、品質のムラが少なくなります。

「『気密性能を上げる為には?を考えると発砲系の断熱材にして頂くのが無難!!

です。

因みに、吹付の断熱の中でも、その素材や発砲する倍率(30倍、50倍、100倍発泡など)も違ったりしますので、検討は必要です。

グラスウール、その他の断熱材は?何が一番良いの??

無難、というのは、今は、グラスウールもかなり高品質なものもありますし、昔のように、壁内結露が原因で、『10年後に壁をめくってみたら、グラスウールが垂れていた!』ということも少なくなってきているようにも思います。

なので、吹付断熱をお勧めしているのは、あくまで消去法です^^;

例えば、グラスウールの場合、

■ グラスウールの密度は?

■ 施工方法は?

■ 壁内結露(建築会社さんがどのような工法を採用しているか)への対応は?

と、色々と気にする必要が出てきてしまいますし、また、価格UPの事を考慮しなければ、

□ セルロース

□ 羊毛断熱

などの断熱材をつかうこともアリだと思います。

…もっと細かいことを言えば、

■ 将来のリフォームのしやすさはどうか?

■ 人体への影響はどうか?

などの問題はありますし、また、

□ 『どの断熱材が一番良いのか?』

を言う為には、全ての断熱材を比べることができる歴史、期間が未だなく、あと10年後、20年後の話になるかもしれません。(…そのころには新しい断熱材が出てきたりもしますので、将来でも、この回答は出来ない気もしていたりしますが^^;)

ということで、消去法でのこったのが吹付断熱でした。

最後にグラスウールから吹付断熱への価格UPですが、建築会社さんによってかなり幅があるように感じますが、20~80万円UPぐらいの範囲かと感じます^^;

気密・断熱を高める③:樹脂サッシ

さて、気密・断熱性能を高める3種の神器の3つ目は、サッシ(窓)です。

③ .サッシ(窓)

はい、窓です!

順番的にはサッシを拘ってから、断熱材を拘るぐらいの感覚でも良いぐらい、サッシは重要です。

ご存知の方も多いかもしれませんが、家の中の熱のロスの多くはサッシ(窓:半分ぐらいの熱の出入りがサッシからとも言われていますね。)からです。

断熱材か窓か、どちらかにお金をかけるなら?と聞かれたら、サッシだと答えると思います!

当然建築業界も、窓が重要だと捉えられていて、

■ 昔(10年ぐらい前まで)はアルミのペアガラスが標準

■ 5年前ぐらいに、注文住宅はアルミ(外)と樹脂(内)のペアガラスが標準に

■ 今は、(外も中も)樹脂のペアガラスを採用している会社さんも増えてきました。
*アルミのペアガラスでも、樹脂と同じような性能を出せるサッシや、中にはトリプル(三重)サッシ(窓)を付ける建築会社さんも出てきました。

という流れになっています。

それぐらい、サッシ(窓)を取り巻く環境も変わってきていますので、今の時代であれば、樹脂サッシぐらいを考えて頂いても良いかとも思ったりします。

こちらは是非ご検討頂ければと思いますが、費用UPに関しては、窓の量やつける窓のサイズ、設計によってかなり幅があるので、個別で検討して下さい。

窓が重い=施工法に注意しよう!

少し注意しておきたい所としては、サッシ周りの施工です。

実は、樹脂サッシやトリプルサッシを採用していく事で、窓はドンドン重くなっています。

そんな中で、窓の開け閉めをバンバンしていると、その周辺構造体が歪んでいってしまう可能性も当然に出てきます。

『家が出来た時は、気密性能や断熱性能、良かったけど、、、10年後に隙間風が…』

とならない為に、少し窓周りの施工方法なども気にして頂ければと思っております。

窓周りの現場の施工は、会社さんによって違いますので、

このコラムを読んで、「『窓周りの施工は大丈夫かを聞いてこい!』と書いてあって。」と、お施主様として気にしている旨を伝えて頂き、出来れば、数社の比較検討段階で、それぞれの対応を判断して頂ければと思っております。

*出来れば構造現場見学会に参加して、その窓周りの施工を比較して頂くのも面白いかと思います。

以上の3つは今の時代の家づくりにおいて、気密・断熱性能を高める為の3種の神器ともいえる設備かと思います。

本当に高気密・高断熱住宅が必要か??

以上の3つの設備は高気密・高断熱を実現させるための3つとして、知識として覚えておいて頂ければと思います。

その上で、最後に、

前提の疑問:そもそも高気密・高断熱が家に必要なのか???

に関してもお話しをしておきます。

当然ですが、今の家づくり、建築業界の流れは高気密・高断熱に進んでいますが、それに対して

□ NOと言っている建築会社さんもいます。

□ 『息苦しくなっちゃうよ!』となるお客様もお見受けします。

また、高気密・高断熱住宅は、まだ日本では歴史も浅く、

■ 高温多湿の日本の風土にあうのか?

■ 長く住む事で後から問題が出てくる可能性はないのか?

ということも言いきれない話なのかとも客観的にみれば思う所もあります。

少しだけ、立ち止まって考えて頂く時間も大切なのかなと思います。

あくまで設計がベース!!

また、家の性能を完璧にこだわるために、設備にお金をかける

…その前に、

先ずは設計をシッカリ検討する

をして頂ければと思っております。

例えば、

【夏の暑さ対策】を考えるのであれば、

□ 直射日光を如何に遮る事ができる設計か?

□ 風の抜けは上手くできる窓配置か?

が大切ですし、

【冬の寒さ対策】を考えるなら、

□ 底冷えしないような床構造の組み合わせ。

□ もしかすると、二階リビングなどにして光や熱を効率よく活用させる。

ということが大切だったりもします。

あくまで設備は設備で、設計がしっかりと考えられた上で設備にこだわるべき!!

です。

…せっかく高いお金を出して良い設備をつけたとしても、

□ 庇計画

□ 夏場の排気

□ 冬場の熱の取り込み

などが考えられていなければ効果も半減で、もったいないですよね。

家が小さくなるのも考えもの!!

また、家づくり相談でもたまにあるのですが、

『…この家、確かに性能はすごいかもしれないけど…小さすぎない??』

という間取りです。

気密・断熱を高めるために、設備を付ける

予算UP

予算を合わせるために家を小さくする!

は、検討すべき内容かとも思いますが、それが行き過ぎて、

□ 各部屋が小さくなる

□ 収納量が足りなくなる

となり、実際の生活が不便になってしまったら、それは本末転倒な気もします。

もちろん、家が必要以上に大きくて、冷暖房が効かない家、『寒い、暑い』は論外ですし、どちらが良い悪いという話ではないですが、最低限必要な広さや収納量は確保しておきたい所です。

今回のような設備関係の話をしてしまうことで、お読みになられた勉強熱心な読者さんの家づくりが、かえって前提条件を間違えてしまうこともしばしば起こります。

ですので、あくまで、

設計が最初で、その後で設備を検討する!!!

です。

その設備を考える時に、『気密・断熱性能を高める為の設備は??』という道の登り方として、この記事を捉えて頂ければ幸いです。

まとめ

今回のコラムも何だかんだと長くなってしまいました^^;すみません。

□ 第一種換気システム

□ 吹付断熱

□ 窓

の3つに関しては、気密・断熱性能を考える上で外せない設備でもありますので、基本的な知識を身に付けておきつつ、打合せでフィックスしていきましょう。

次回の7回目のコラムは施工品質に関する話と、瑕疵担保保障に関しての役立つ知識をご紹介していきたいと思います^^

山本広高 このコラムの執筆者
牧原 央尚(マキハラ テルヒサ)
愛知県を中心に家づくり相談を行っているTERRACE.R(株)代表取締役。大手ハウスメーカーで5年半の営業経験後、2010年から家づくり相談サービス「Rebro at home」を行っており、これまでの相談実績は1000件以上。一件一件の相談に対して、個別で長くフォローしてきた経験から、家づくりの考え初めから完成までの一連の期間に起こりうる、問題点などを解決してきています。 建築会社の探し方、お金の事、間取りの事、インテリア、エクステリアの事、現場が始まってからの事など、家づくりに関しての専門家として、公平中立な立場からアドバイスしています。

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