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第9回 住友不動産株式会社の評価

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友不動産の主要事業はマンションの分譲事業ですが、1970年以降住宅専門のハウスメーカーが全国展開をした中で住宅メーカーとしてスタートした。

スタート当初は住友不動産ホームという社名で営業展開をしていましたが、後述する輸入住宅の商品化に失敗し、住友不動産の住宅事業部門となる。住友不動産のホームページの会社沿革には、このあたりのことはなぜか記載されていません。

木造軸組工法メーカーは、ツーバイフォーにも手を出しているが、いわゆる旧3大財閥の住友不動産ホーム・三井ホーム・三菱地所ホームとして、いずれもツーバイフォー工法オンリーで業績を上げてきた経緯があります。

住友不動産 総合評価:★★★(2.33)
耐震:★★(2)
断熱:★★★(3)
気密:★★★★(4)
耐火:★★(2)
遮音:★★(2)
耐久:★★(2)
設計自由度:★★★(3)
施工力:★(1)
アフター体制:★★(2)

当初はこれと言って特徴のない商品であったところ、当時ブームとなった輸入住宅をとりいれ1995年に「アメリカンコンフォート」事業を開始。

大きく分けて2種類の商品で、一つはアメリカの西海岸のデザインを採用した商品で、いままでにない開放的なデザインで人気を博しましたが、ほとんど雨のない西海岸のデザインをそのまま取り入れたために、雨漏りのクレームが発生して、しりすぼみとなってしまいました。

もう一つのアメリカンコンフォートは、いわゆるローコストの規格型住宅でコストパフォーマンスはよかったのですが、規格標準仕様では準防火地域に適合せず、準防火地域に適合させるためには相当なコストアップとなる弱点が。結局、主として防火指定のない地域での建売販売に活路を見出したのですが、結局こちらもうまくいかなかった過去があります。

その後、「世界の住宅」と名打った商品を発表・・これも鳴かず飛ばずの苦しい時期を過ごしましたが、2003年に発表した「J-URBANN」で息を吹き返したといえるでしょう。

発表当初は中庭を取り入れたコートハウス的デザインがウリで、他社メーカーにはなかった商品で人気を集めました。しかしながらデザイン優先の部分もあり、中庭の雨水の排水処理を十分検討していないために、基礎内部に雨水が侵入したり、風通しが悪いといったクレームをいまでも耳にします。

価格帯は大手ハウスメーカーの中では比較的廉価といえます。競合した場合は値引きを加えコスト勝負で競合に勝つ事例が多いと思います。

営業スタイルはこれといった特徴はないですが、契約前に十分な打ち合わせをして仕様等の確定をしておかないと、契約後に「言った言わない」のトラブル事例を耳にしますので時間をかけてから契約することが必要です。

建築現場は、工事担当者や下請け協力業者の技量のばらつきが大きいと言えるでしょう。このあたりがコストに反映しているのかもしれないですね。

現場での事例をいくつか紹介します。

外壁タイル下地のボードがいたるところひび割れてしまっています。当然のことながら、すべて貼り替えの是正をしてもらいました。釘打ちの粗さが目立つ現場です。


防水のコーキング不良も、職人の技量や現場監督の管理スキルにばらつきを感じます。


住友不動産株式会社の評価は以上です。

次回はホームインスペクションでの実体験に基づいて、株式会社一条工務店を評価します。

市村崇 このコラムの執筆者
市村崇(イチムラタカシ)
一級建築士・ホームインスペクター。大手HMの現場監督を経て2007年に設計事務所・工務店を設立、10年間で500棟以上の施工管理を行う。2013年に(社)住まいと土地の総合相談センター副代表に就任。建築トラブルを抱える多くのクライアントの相談に乗る傍ら「絶対に後悔しないハウスメーカー&工務店選び 22社」など多くの本を企画、執筆している。

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