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第5回 パナホーム株式会社の評価

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ナホーム株式会社は、1963年ナショナル住宅建材株式会社として設立された鉄骨メーカーです。ナショナル住宅の時代は、代理店方式で全国に多数の代理店を登録させ、ナショナル住宅自体は、商品開発と部材支給の会社でした。

1977年にブランド名をナショナルからパナソニックへブランド移行し、2002年社名をパナホーム株式会社に変更し現在に至ります。

パナホーム 総合評価:★★★(2.56)
耐震:★★(2)
断熱:★★(2)
気密:★★(2)
耐火:★★★★(4)
遮音:★★★(3)
耐久:★★★(3)
設計自由度:★★★(3)
施工力:★★(2)
アフター体制:★★(2)

代理店方式はもともと代理店経営者の経営方針により、大きなばらつきが出る恐れがありクレーム産業といわれる住宅業界の中でも、ミサワホームと同様クレームがきわだつメーカーであったので、代理店方式から直販会社へと転換しました。(現在でも一部代理店は残っていますが・・)

もともと松下電工傘下ですから、パナソニックの製品だけで1件の家ができます!というイメージ戦略であったが、商品力に弱く鉄骨他社メーカーの中では苦戦をしていたのは否めません。数年前に従前の「ソルビス」という商品の発展系である「ビューノ」という商品を発表してから勢いが出てきたといえます。

ビューノは9階建てまでの商品を用意しており、他社鉄骨メーカーのラインナップにはない、5階建て以上の商品を用意したことにより、今まで中小のゼネコンに依頼していた賃貸併用を計画する顧客層の心をつかんだ感があります。商品特徴からも、どちらかといえば注文住宅専業メーカーではなく、賃貸住宅へのシフトが見て取れます。

営業は社員が担当しますが競合をした場合、必ず出るトークが「キラテック」と「無足場工法」でしょう。

キラテックとは光触媒外壁タイルで、営業マンはメンテナンスフリーを強調し差別化をします。確かにタイルそのものはメンテナンスが半永久的にフリーですが、よく考えてみてください・・・外壁はタイルだけではなく、サッシ周りや換気扇等のベントキャップ周りにはコーキングがしてあり、このコーキングはメンテナンスフリーではありません。

よって、定期的にはメンテナンスをする必要があります。タイルだけをとってあたかもメンテナンスフリーとトークするのはいかがなものでしょうか。

もう一つの差別化である無足場工法、これは隣地境界線ぎりぎり(実際には300ミリ有効で確保する必要がありますが)に建築可能を差別化してきます。前述同様、外壁周りは定期的にメンテナンスをする必要がありますので、その都度お隣に足場を建てるお願いをする必要がありますし、お隣がぎりぎりに立っている場合は最悪、メンテナンスができないことになります。

営業によっては、自社の良い点だけを強調する傾向があるので注意が必要です。

施工体制は工務店発注です。現場品質管理で多く指摘するのは、断熱欠損(特にヒートブリッジに対する指摘が多いですね)と、鉄骨の錆止め(運搬時や建て方時に鋼材をぶつけて錆止め塗装をはがしてしまう)の2点です。

本来、鉄骨補修は刷毛塗り推奨ですが錆止めスプレーとしているので、塗膜厚不足が気がかりです。


最近受注好調なビューノの問題点を少し述べますが、主要構造体の柱の基礎周りに問題があると言えます。写真を見れば一目瞭然ですが、柱が設置される箇所の基礎立ち上がり部分は、厚さ60ミリ前後しかなく、当然鉄筋も入れることができないので無筋コンクリートです。ちょっとした衝撃を加えればひびが入る可能性が高いですから、今後のアフター対応が多いのではと推測されます。


パナホーム株式会社の評価は以上です。

次回はホームインスペクションでの実体験に基づいて、住友林業株式会社を評価します。

市村崇 このコラムの執筆者
市村崇(イチムラタカシ)
一級建築士・ホームインスペクター。大手HMの現場監督を経て2007年に設計事務所・工務店を設立、10年間で500棟以上の施工管理を行う。2013年に(社)住まいと土地の総合相談センター副代表に就任。建築トラブルを抱える多くのクライアントの相談に乗る傍ら「絶対に後悔しないハウスメーカー&工務店選び 22社」など多くの本を企画、執筆している。

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