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第15回 ハウスメーカー評価のまとめ 耐火・耐久性能編

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れまで各社の特徴を、実際のインスペクション経験に基づき記事としてきましたが
これからは複数回にわたり、評価のまとめを書いていきます。

ハウスメーカー選び、もっと言えば家づくりのご参考になればと思います。

過去の記事では、各社の実力は次の通りの評価にしました。
積水ハウス(鉄骨) :耐火★★★★★(5)/ 耐久★★★★★(5)
ダイワハウス    :耐火★★★(3)/ 耐久★★★★(4)
旭化成ホームズ   :耐火★★★★★(5)/ 耐久★★★★★(5)
パナソニックホームズ:耐火★★★★(4)/ 耐久★★★(3)
住友林業      :耐火★★★(3)/ 耐久★★★(3)
積水ハウス(木造) :耐火★★★(3) / 耐久★★★(3)
三井ホーム     :耐火★★★(3)/ 耐久★★★★(4)
住友不動産     :耐火★★(2)/ 耐久★★(2)
一条工務店     :耐火★★(2)/ 耐久★★(2)
セキスイハイム   :耐火★★★★(4)/ 耐久★★★★(4)
ミサワホーム    :耐火★★(2)/ 耐久★(1)

耐火性能の特徴ですが、基本的には鉄骨のほうが木造より優位性があるという評価をしています。ですが、これは構造躯体が鉄だから、ということではないことは初めに説明しなければなりませんね。

よく、木造と鉄骨はどちらが火災につよいのか?というご質問を受けますが、実際の住宅火災に関して言えばそれほど変わらないのが現実です。

一般的に木材は約180℃を超えると木材成分の熱分解が始まり、可燃ガスを放出し始めます。そこから約250℃に達したときに引火し、約450℃を超えると火元がなくても発火する材質と言われています。

一方、鋼材は720℃あたりから材質の変化が見受けられ750℃を超えてくると強度が低下するとされています。

このような数字だけで言えば鉄のほうが火災に強い!となりそうですが、木材は引火をしても表面が炭火し、内部燃焼まで時間がかかりますので、一概には言えません。

そもそも、日本の住宅は火災発生時に「消防車が到着する時間」や「住民が逃げる猶予時間」を考慮し、耐火性能を法律で縛っています。

最近の住宅は、壁の下地を不燃材である石膏ボードを貼る方法が多く見受けられますから、壁の内部の構造躯体に火が到達する時間は木造、鉄骨ともにあまり変わらないという意見もあります。ですから、構造で単純な耐火性能を図るのは難しいかと思います。

では、なぜ鉄骨が耐火性能に優れているか?という評価をしているのかは
・準耐火建築物違反が多い
・耐火被覆施工が鉄骨のほうが簡易
になります。

次の写真は鉄骨造のパナソニックホームズですが、柱・梁に耐火ロックウールを施工する形で耐火工事をしています。

施工は比較的シンプルで、過去の検査指摘数も木造に比べれば少ないです。

次は、木住協(一般社団法人日本木造住宅産業協会)の耐火仕様ですが、木造は柱・梁以外にも外壁や床(天井)など、すべてを覆うように施工をする必要がありますので、隙間が生じる可能性が高く、現場指摘も多いのが特徴的です。

日本木造住宅産業協会の「木造軸組工法による耐火建築物」より参照

また、木造は準耐火建築物にするための工事も複雑です。準耐火建築物にはイ-準体、ロ-準体、省令準耐火が存在しますが、なかなか施工が細かくきちんと施工してある現場が少ないように思います。

上の写真は住友不動産の竣工検査での一枚です。ユニットバス(UB)上からのぞくと、石膏ボードを貫通している配管周りの処理がされておらず、木材が見てわかります。

こういった箇所は最新の注意をはらって施工をしなければ「準耐火建築物違反」となってしまいます。

また、木造の外壁は湿式工法(塗り壁)か、サイディングで耐火性能を確保します。(正式に言えば、防火構造になっているかですが・・)

左官仕上げの塗り壁の場合、既定の塗り厚が決まっていますから、厚みがきちんと確保できていいなければ耐火建築物となりません。こういったように「作業員の腕の良しあし」に左右されるのが木造の耐火性能の特徴です。

なお、鉄骨造メーカーの積水ハウスは、ダインコンクリートを使っていますが防火認定を取得していない為、賃貸物件などでは必然的に認定取得済のシェルテックウォールとなります。

次に耐久性ですが、私の評価ではこちらも鉄骨に軍配を上げています。

最大の要因はやはり「材料強度」そのものが鋼材のほうが強く、例えば災害時に発生する「落石」などにも被害が少ないことがメリットです。また、ヘーベルハウスの鬼怒川の氾濫映像は記憶に新しいですが、杭工事をしていることも影響はありますが家自体の重量が重い為、浮力に対して木造と比較すると有利でしょう。

木造は「シロアリ対策」も必要です。一般的には5年おきに防蟻処置をしなくてはなりませんから、その点でも耐久性は鉄骨有利としています。

ハウスメーカー評価のまとめ 耐火・耐久性能編は以上です。
次回は、設計自由度編を掲載する予定です。

市村崇 このコラムの執筆者
市村崇(イチムラタカシ)
一級建築士・ホームインスペクター。大手HMの現場監督を経て2007年に設計事務所・工務店を設立、10年間で500棟以上の施工管理を行う。2013年に(社)住まいと土地の総合相談センター副代表に就任。建築トラブルを抱える多くのクライアントの相談に乗る傍ら「絶対に後悔しないハウスメーカー&工務店選び 22社」など多くの本を企画、執筆している。

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