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第11回 積水化学工業株式会社(セキスイハイム)の評価

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キスイハイムは、1960年3月にセロハンテープで有名な積水化学工業の住宅事業部としてスタートし、同年8月にハウス事業を分社化して積水ハウス産業株式会社(現:積水ハウス)を設立しました。つまり、スタート時点は積水ハウスなのです。

セキスイハイム 総合評価:★★★(3.00)
耐震:★★★(3)
断熱:★★(2)
気密:★★★(3)
耐火:★★★★(4)
遮音:★★★(3)
耐久:★★★★(4)
設計自由度:★★(2)
施工力:★★★(3)
アフター体制:★★★(3)

1971年にセキスイハイムを設立してユニット工法に特化し積水ハウスと分離。
ご存知のように工場でロボットによる鉄骨ユニットを完成させ、外部はタイルまで仕上げ、内部は石膏ボードまで完成させて現場で組み立てる工法です。

うたい文句は現場工期が短いということなのですが・・確かに現場工期は短いですが、契約しない限りユニット製作には着手しないのですから、契約から竣工までの工期としてとらえれば、決して工期メリットはないと言えます。

またユニット工法なので間取りの自由度が低いのが最大の弱点で、特に目立つのは階段の段数が変更できません。幅を広くしたり、傾斜を緩くすることができないのは、ニーズのあるクライアントからしてみれば難色でしょう。

間取りの自由度の低さをカバーするためか、電力の自給自足をうたい文句とした太陽光パネル設置のスマートハウスで差別化を図っています。とくに、寒い季節になると浸透しているTVCMが活躍し「あったかハイム」のコピーで受注が伸びるようです。暑い季節にはTVCMも苦戦したようですが、最近では「おひさまハイム」のコピーを浸透させようとしているのでしょうか。

施工に関してですが、基礎は現場施工で社内の検査課が検査を実施しています。敷地の工程差等がない限りユニットが決まっているので、基礎で大きな間違いを起こすようなことはないようです。ユニットは当然クレーンで吊り上げますから、道路幅が狭かったり路地状敷地などの場合は施工できないことがあります。そういった場合の受け皿として、実はユニットだけでなく、普通の鉄骨組立の住宅や木造ツーバイも販売しています。

ユニットの建て方時には雨が最大の敵で、工事監督は天気予報とにらめっこです。建て方途中で雨をかぶると断熱材が濡れてしまったり、石膏ボードが濡れたりと最悪の結果となります。

過去のインスペクションで意外にも指摘が多いのは、断熱材の断熱欠損。工場で壁・屋根に断熱材をユニットに組み込んでくるのですが、現場までの運搬中や建て方時の振動で断熱材がずれることがあり、サーモカメラで計測すると明らかな温度変化が発生し断熱欠損を生じています。このような指摘をした場合は、当然ですが内部の石膏ボードを撤去して断熱施工の不備を確認し、是正をさせています。

また内部造作の精度が大工次第なのでしょうが、工場製作は寸分の狂いもないという説明なのに、レーザーで計測すると建具枠の垂直精度が悪い事例が見受けられます。間取りやインテリアにはそれ程こだわりがない方には選択肢のひとつと考えられるでしょうが、ユニットだからと言って、決して安い買い物ではありませんね。


スイッチボックス周りの断熱欠損

2階天井(屋根)断熱の欠損


建具枠が垂直ではなく、ゆがんでいる 

セキスイハイム(積水化学工業株式会社)の評価は以上です。

次回はホームインスペクションでの実体験に基づいて、ミサワホーム株式会社を評価します。

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市村崇 このコラムの執筆者
市村崇(イチムラタカシ)
一級建築士・ホームインスペクター。大手HMの現場監督を経て2007年に設計事務所・工務店を設立、10年間で500棟以上の施工管理を行う。2013年に(社)住まいと土地の総合相談センター副代表に就任。建築トラブルを抱える多くのクライアントの相談に乗る傍ら「絶対に後悔しないハウスメーカー&工務店選び 22社」など多くの本を企画、執筆している。

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