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第10回 株式会社一条工務店の評価

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条工務店は、木造軸組工法のメーカーとして1978年に東海地方で設立しました。数年後には全国にGC展開し業績を伸ばしていき、現在も関連企業として残っているようです。

1995年に東京に本社を移転し全国展開を始めました。当初はこれといった特徴はありませんでしたが、塩ビサッシを採用し高断熱住宅の商品を発表したり、免振住宅を発表したりと、差別化を図ってきた経緯があります。

GC展開の中で地場の工務店のスキルにかなりばらつきがあり、地域によっては結構なクレームを抱えた時期があります。

一条工務店 総合評価:★★★(2.44)
耐震:★★(2)
断熱:★★★(3)
気密:★★★★(4)
耐火:★★(2)
遮音:★★(2)
耐久:★★(2)
設計自由度:★★★★(4)
施工力:★(1)
アフター体制:★★(2)

2002年にI HEAD構法を発表しました。従来の軸組工法から枠組工法へのシフトです。もちろん現在でも、軸組工法も商品としては用意しています。

阪神淡路震災以降軸組工法メーカーは苦戦し、三井ハウス・野村ホーム・富士工務店等の業界からの撤退が相次ぎ・・そのような業界地図の変化に対応すべく枠組工法へシフトしたのかは定かではありませんが。

一条工務店のホームページにはどこにも記載されていませんが、数年前から枠組壁工法のパネルをフィリピンの工場で製作し、海上輸送をしています。主には建築条件付き建物用が主体のようですが、例えば千葉ニュータウンなどでは相当な棟数の販売をしていると思われます。

問題はこのパネルが「複合パネル」ということです。「複合パネル」とは構造のパネルだけではなく、外部はタイルまで仕上げ、内部は断熱材まで一体とした工場生産パネルです。

大きな問題は、日本は梅雨・台風等、雨が現場を左右する気候が存在します。過去に三井ホーム等枠組工法の専業メーカーが「複合パネル」を検討しましたが、日本の雨の多い気候ではリスクが大きいということで採用を見送った歴史があります。

実際に千葉ニュータウンの建築条件付きを購入された方からインスペクションの依頼を受け、着工から竣工まで検査をしたが、懸念していたことが現実となっていました。

大きな問題は2点。1点目は前述の懸念である雨の影響で、特に1階床合板と1階構造用合板が冠水し、水分計で計測するとなんと含水率が50%を超過していました。現場の監督は今まで指摘されたことがないので、どのように対応すべきかわからない・・・ということで、乾燥させる方法を指導し、水分計で再計測をして含水率が規定値未満になるまで現場ストップ。

もう1点は断熱材を充填してきているので、外れ釘等外壁合板の釘打ち不良が確認できません。先ほどの現場では外壁合板の含水率が超過しているので、乾燥させるためにすべての断熱材を撤去させましたが、案の定外れ釘を指摘することになりました。もともと軸組からスタートした会社であり、複合パネルをフィリピンの工場で現地制作していることもあり、このあたりの品質管理に不安を抱いたのが正直な感想です。

サーモカメラで計測すると、床合板も壁合板の下部も温度が低いことが一目瞭然です。


床合板

壁合板


水分計では含水率が50%を超過していることが判明 

上記は下枠で44%2階床合板で50%超過である

株式会社一条工務店の評価は以上です。

次回はホームインスペクションでの実体験に基づいて、積水化学工業株式会社(セキスイハイム)を評価します。

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市村崇 このコラムの執筆者
市村崇(イチムラタカシ)
一級建築士・ホームインスペクター。大手HMの現場監督を経て2007年に設計事務所・工務店を設立、10年間で500棟以上の施工管理を行う。2013年に(社)住まいと土地の総合相談センター副代表に就任。建築トラブルを抱える多くのクライアントの相談に乗る傍ら「絶対に後悔しないハウスメーカー&工務店選び 22社」など多くの本を企画、執筆している。

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