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第8回 三井ホーム株式会社の評価

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井ホーム株式会社は1975年日本でツーバイフォー工法がオープン化と同時に会社設立されました。
文字通りツーバイフォー工法の先駆者です。当時はすでに業界から撤退をした日本ホームズとの2社でツーバーフォー工法をリードしてきた歴史があり、今までにない欧米の住まい方やデザインを取り入れた家づくりで1つのジャンルを作り上げた。

1980年には、いまでこそどこでも採用しているインテリアコーディネータであるが、三井ホームが初めて取り入れ、全国に組織化した歴史があります。

日本ツバイフォー建築協会の会長は三井ホームの社長が歴任してきており、文字通り日本におけるツーバイフォー工法のリーディングカンパニーと言えるでしょう。

三井ホーム 総合評価:★★★★★(4.11)
耐震:★★★★★(5)
断熱:★★★★★(5)
気密:★★★★★(5)
耐火:★★★(3)
遮音:★★★★(4)
耐久:★★★★(4)
設計自由度:★★★★(4)
施工力:★★★(3)
アフター体制:★★★★(4)

創業当時から設計は外部の設計事務所を組織化し、未熟な営業マンの営業補助をしながら受注活動にも貢献させるといった手法を取り入れました。現在の設計担当は、完全子会社の三井ホームデザイン研究所(通称:デザ研)と、外部の設計コンサルタントとの2系列となっています。

施工も地場(一般)の工務店を指定工事部隊へと組織化し、ビルダー会として全国に支部を展開して囲い込みをしてきました。

1982年には業界に先駆けて「10年間保証」を導入し、このことがきっかけで業界は右へ倣いをしてきた過去があります。

建物の特徴としては、耐震性能・全館空調・屋根の高断熱パネルがあげられるでしょう。
耐震性能は熊本地震で震度7を2回受けた建物が大きな被害を受けたことから、震度7の地震波を60回繰り返し与えても被害がないことを実験棟実証しているようでTVコマーシャルでもアピールをしています。

高気密高断熱であることから全館空調もいち早く採用し、室内の空気環境がクリーンであることを強調しています。

屋根の高断熱パネル「DSP(ダブルシールドパネル)」はその高い断熱性能から、小屋裏空間の快適性を確保しているのが特徴的です。

現場の施工は、ビルダー会所属の工務店と直施工部隊との2本立てとなっており、施工エリアや着工物件の数により決めているようです。

以前は社内検査員が工程ごとの検査をしていたが、最近は工事担当者が検査をすることになった。

木質系の最大の弱点である構造材、特に床合板が雨を被ると含水率が超過してしまうことですが、特にツーバイフォーは上棟までに時間がかかることから、雨養生は非常に重要な管理体制が必要です。万が一含水率が超過した場合では、十分に乾燥させて次工程へすすんでいるかどうかがポイントです。

営業スタイルは良く言えば紳士的ですが、どちらかといえばガンガンと攻める積極的な営業は苦手のようです。高価格帯のイメージが強く、リーズナブルな商品も用意しているようなので、営業マンには無理ない予算を伝えたほうがいいでしょう。

アフターはハウスメーカーの中では、引き渡し後の定期訪問をしてきちんとしている方でしょう。

雨養生が悪いと、このように床合板の含水率が超過してしまいます。写真は、50%を超過している状況。


フレーマー(軸組工法でいうところの大工)によっては構造合板の釘打ち不良や、破風材の破損等が指摘されます。


三井ホーム株式会社の評価は以上です。

次回はホームインスペクションでの実体験に基づいて、住友不動産株式会社を評価します

市村崇 このコラムの執筆者
市村崇(イチムラタカシ)
一級建築士・ホームインスペクター。大手HMの現場監督を経て2007年に設計事務所・工務店を設立、10年間で500棟以上の施工管理を行う。2013年に(社)住まいと土地の総合相談センター副代表に就任。建築トラブルを抱える多くのクライアントの相談に乗る傍ら「絶対に後悔しないハウスメーカー&工務店選び 22社」など多くの本を企画、執筆している。

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