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第8回 売る側が使う心理テクニック:その3:返報性の原理

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ンサルタントの山本広高です。
前回は「ダブルバインド」について、販売員が顧客への提案をする際に使う心理テクニックについてご紹介しました。第八回は「売る側が使う心理テクニック:その3:返報性の原理」です。
スーパーで試食したら、買わないと申し訳ないかな、という気分になったことはありませんか?
生命保険の営業担当が時間を取って何度も説明してくれたらこれだけ丁寧に説明してくれたから購入しようかな、という感覚で商品を購入したことはありませんか?

「好意には好意で返す」「恩を返す」といった、キーワードに代表されるように、貰いっぱなしの状況を居心地悪く感じるので、何かしらお返しをしたくなる心理状況を利用して商品販売を行う心理を返報性の原理と呼びます。

これは日常生活でもよく見られるシーンです。
「まずは無料でお試し30日間をはじめたらそのまま継続して利用している」
「いつでも返品OKと言われても結局使い続けている」
「試着してサイズを確認されたらそのまま購入した」

特に「お試し」と「無料」の効果は絶大だと言われています。
住宅の購入においても、展示場を回っていると多くのプレゼントをもらって帰るに違いありません。春夏秋冬に合わせてプレゼントを用意しています。特にファミリー層を意識したものであるため、すぐに使えて思わず無料でもらえるならもらいたい、と思わせる物を用意しています。

住宅を販売する側からすると、もちろん返報性の原理を利用して販売促進につなげたいという想いもあるのですが、重要なのは「ターゲットリスト」の取得でもあります。住宅展示場を訪問すると必ずアンケートに答えることでしょう。
実は、あなたの情報を取得するためにプレゼントのコスト、及び展示場で待機している方の人件費など、様々なコストが掛かっています。住宅の販売会社はこのターゲットリストを活用し、販売につなげます。

話を戻します。
あなたはおそらくチラシやネットで情報を収集し、住宅展示場に家族で足を運びます。その場でアンケートに答え、販売員の説明を聞いて、帰り際にプレゼントを受け取ります。
その時に受け取ったプレゼントがとても便利で常に使うものであれば、日々そのプレゼントを見ることでしょう。こうしてあなたの潜在意識の中には「プレゼントを受け取った」という意識が残ります。

※筆者はサーモスの水筒をもらった際、実際に毎日利用しました!

私は全く関係ない!という方もいらっしゃるかと思いますが、私は絶対に詐欺にあわない、と言っているようなもので、そういう方こそこうした心理テクニックに掛かりやすいと思ってください。

しかし、何度もこのコラムでお伝えしていますが、大事なのは「あぁ、これが返報性の原理なんだな」と気づくことです。自分自身を俯瞰してみる癖を付けることこそ大事です。何度もお伝えしていますが、決して販売員は悪意を持って売りつけてやろう!と思っているわけではないのです。あなたを知るための手段としてこうしたテクニックを使っています。
その訓練を続ければ、冷静に判断できないまま、契約してしまった、、、というリスクを回避できます。ひとつひとつ心理テクニックを知り、日常生活に活かしてください。次回は「売る側が使う心理テクニック:その4:家族療法」です。ご期待下さい。

山本広高 このコラムの執筆者
山本広高(ヤマモトヒロタカ)
株式会社THINCESS代表取締役。JIMC日本統合医療センター四ツ谷なかよし鍼灸院を経営。様々な業種における販売支援、新事業立ち上げ支援を行う現場重視のコンサルタント。

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