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第25回 投資信託(2)

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回のコラムで投資信託の基本的な仕組みと、投資する上で重要な3つのルールについて解説しましたが、今回はもう少し掘り下げて、実際にどういった投資信託があるのか、その中身の部分と、その中からどういう基準で選べば良いのか判断基準についても解説していきます。

まず、前回解説したように、投資信託とは少額で様々な投資対象に投資する事が出来るパッケージ商品となっており、投資対象は、国内や海外の株式、債券、不動産などとなっています。

株式とは、株式会社にお金を出資することで得られるその会社の権利(の一部)の事です。株式会社は、多くの人からお金を出資してもらってお金を集め、そのお金を使って事業を行っています。出資した人のことを「株主」といい、株主になるとその会社が利益を出すと配当金がもらえたり、業績が上がって株価が上がると売却することによって利益を出すことが出来ます。当然、逆に株価が下がってしまったタイミングで売却すると損することもありますし、最悪倒産してしまった場合には、その株の価値は0となってしまいます。

債券とは、国や企業が資金を調達しようと投資家からお金を借りる場合があり、その際に投資家に発行する借用証書のようなものです。

つまり、投資家が国や企業にお金を貸した際に受け取るものが債券で、国が発行する債券を国債、会社が発行する債券を社債といいます。

債券はあらかじめお金を返す日(満期)が決められており、その期限が来ると貸したお金は全額返ってきます。また、保有している間は決められた利率の利子が受け取れます。債券は満期前に途中で売買することも出来、満期までの残り期間やその債券を発行した国や企業の信用度などにより価格が変動します。ただ、一般に、株式に比べると価格の変動幅は小さいです。

投資信託は複数の株式または債券が組み合わさっている訳ですが、『トヨタ自動車の株とソニーの株を組み合わせたもの』といったように数社の会社の株の組み合わせというイメージではなく、数十から数百、多いと数千の会社の株や債券の組み合わせといったものをイメージして頂ければと思います。

そのため、投資先のうちの一つの会社が仮に倒産したとしても、投資したお金が0になることはありませんし、資産に対するダメージは小さくてすみます。

逆に言うと、一つの会社が急成長して株価が何十倍にもなったとしても投資金額がそれだけで何十倍になる事は期待できません。このように、投資信託は分散投資によって価格の変動が小さく抑えられるためリスクを抑える事が出来ます。

種類として、日本の株式だけの組み合わせもあれば、海外の株式だけの組み合わせもあります。また、債券だけを組み合わせたものもありますし、国内外の株式や債券など複数の異なる資産を組み合わせた、バランス型投資信託というものもあります。バランス型は、設定された投資比率(例えば、国内株式25%、海外株式25%、国内債券25%、海外債券25%)に対して、その比率を保ちながら運用してくれますが、一般的に一つの資産に投資する投資信託と比較すると手数料が高めの傾向があります。

また、投資スタイルで分けると下記の2つに分類もされます。

インデックスファンド

ニュースなどでよく耳にする「日経平均株価」や「TOPIX」というものを指数といいます。指数は、株式市場全体の動きを測る指標として用いられ、その数値が上がれば、株式市場が全体的に上昇している、逆に下がれば、株式市場は下落しているという事がわかります。インデックスファンドとは、この指数と連動するようにつくられた投資信託の事です。例えば、日経平均を基準としたインデックスファンドは日経平均と同じ値動きをします。この時、基準とした指数を「ベンチマーク」といいます。もちろん、日本以外にも海外の株価指数として「MSCIコクサイインデックス」といったものもあり、それに連動するように作られた投資信託も多数存在します。日本の指数と海外の指数をベンチマークとするインデックスファンドを両方購入することによって、一気に世界中の何千種類もの株にまとめて投資することが可能です。

アクティブファンド

一方、アクティブファンドといわれるものは、インデックス(指数)を上回る成果を上げることを目標として運用される投資信託で、ファンドマネージャーといわれる投資のプロがインデックスより株価が上がりそうな会社を独自に調査分析してピックアップし、それらを組み合わせたものです。

こう聞くと、インデックスファンドよりもアクティブファンドを購入する方が良い成果を上げられそうな気がしますが、投資初心者には下記2つの理由からインデックスファンドをお勧めします。

1つ目は、アクティブファンドはインデックスファンドを上回る成果を上げることを目標として作られたものですが、実際には、アクティブファンドの多く(半数以上)が長期的に見るとインデックスファンドの運用成績に負けているという研究結果が出ています。つまり、アクティブファンドだといっても、必ずしもインデックスファンドよりも結果が有利というわけでなないのです。

もちろん、インデックスファンドを上回る成果を上げている優秀なアクティブファンドもありますが、数千種類も存在する中からそれらを探し出すことは投資初心者にはハードルが高いと思われます。

それであれば、高得点は出さずとも常に平均点を出してくれるインデックスファンドで十分だという考え方です。

2つめに、アクティブファンドは一般的にインデックスファンドよりも手数料が高く設定されています。何故ならアクティブファンドはファンドマネージャーが、投資対象となる会社やマーケットを調査・分析するのに手間がかかっているため、その分コストがかかってしまうからです。

ここでいう手数料とは、投資信託を保有している間かかってくる費用で信託報酬といわれるものです。

投資信託は購入すると、いくつか手数料がかかってきます。代表的なものとして、購入時手数料と運用管理費用(信託報酬)がありますので、ここで簡単に解説しておきます。

購入時手数料は、投資信託を購入するときに一度だけかかってくる費用で、銀行や証券会社といった販売会社に支払います。中には購入時手数料がかからない商品もあり、購入時手数料のかからない投資信託のことをノーロードといいます。実は全く同じ商品でも、購入する場所によって購入時手数料は異なってきます。例えば、同じ投資信託でもA証券では購入時手数料が2%かかってくるが、B証券だと手数料がかからないということもあります。一般的に銀行や証券会社の窓口で購入するよりも、ネット証券で購入する方が安い場合が多いです。

次に信託報酬は、運用管理費用として投資信託を保有している間ずっとかかってくる年会費のようなもので、アクティブファンドはこの信託報酬が高いため、それだけでリターンを圧迫してしまいます。

上記2つの理由から投資初心者はまずは手数料の安いインデックスファンドを購入することおすすめします。

インデックスファンドを毎月一定額積立てていくことによって、“時間分散”と“資産分散”また、これを10年以上長期で続けることによって“長期投資”することが出来ます。

もし、投資に興味があり、自分でも少し勉強しながら投資したいなという人は、国内外の株式や債券のインデックスファンドを自分で比率を決め、それぞれ組み合わせて投資すると良いでしょう。この場合、投資途中で資産の比率がずれてくる場合があるので自分で調整する(リバランスといいます)必要が出てきます。

忙しくて、勉強したり考えたり途中調整する余裕がないなという人は、一番簡単な方法として手数料(販売時手数料、信託報酬)の安いバランス型(国内外の株式や債券を組み合わせたもの)のインデックスファンド1本に積立投資していく事をおすすめします。

低金利の今、何も考えずにただ単に銀行で貯金していくだけでなく、積極的に投資していくことをおすすめします。今は、iDeCoや積立NISAといった投資するのに有利な制度もあるので、今回のコラムを参考にしていただいて投資信託にチャレンジしてみてはいかかでしょうか。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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