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第20回 ○○の壁! ~パートでいくらまで働いても大丈夫なのか~

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養の範囲内で働いている人は、103万円の壁や130万円の壁のように○○の壁を意識して勤務時間をコントロールしていると思いますが、実際のところ、いくらまでなら働いても損しないのかについて正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。
「収入は103万円以内に抑えた方が良いらしい」「103万円以上働くと税金やらなんやらで損するようだ」「いや、130万円までなら働いても良いみたいだ」のようにあいまいな情報と認識で、勤務先からもそう言われているからと、結局100万円以内に抑えて働いている人は多いと思います。

そこで、今回は、いくつかある○○の壁、扶養とは??について解説していきます。

まず最初に理解しておくべき事として、扶養には所得税や住民税といった『税金の扶養』と健康保険や年金などの『社会保険の扶養』があります。2つの『扶養』はそれぞれ収入の基準など条件が異なるため分けて考える必要があります。

【相続税の節税と納税資金の準備】

例えば、会社員の夫とパート勤務の妻で考えた場合、妻は年間100万円以内の収入であれば、妻自身には所得税も住民税もかかってきません。年間の収入とは、その年の1/1から12/31までの1年間の収入で考えます。
もし、年間の収入が100万円を超えると住民税がかかってきます。次に103万円を超えると所得税もかかってきます。
妻の収入による夫への影響はというと、妻の年間収入が103万円以内であれば、第16回のコラムで解説した「配偶者控除」という所得控除が38万円、夫が使えます。配偶者控除が使えると、妻を扶養しているとして夫の所得税と住民税が下がります。

また、下表のように妻の年収が103万円以上となっても201万6000円までは「配偶者特別控除」という所得控除が使えます。夫の収入にもよりますが、妻の年収が150万円以下であれば、103万円以下の場合と同じ38万円が控除され、150万円以上になると徐々に控除額が減っていきます。そして、216万円6000円以上になると配偶者特別控除も使えなくなります。また、夫の年収が1220万円超の場合は配偶者特別控除は使えません。

平成30年に配偶者控除と配偶者特別控除が改正され、これまで103万円の壁と言われていたものが150万円となりました。ただ、150万円を超えても201万円までは、配偶者特別控除として段階的に使えるため、妻の収入が103万円⇒150万円⇒201万円と上がっていっても夫の税金が一気に上がることはありません。

以上、税金の壁(扶養)についてまとめると、下図のようになります。


【社会保険の壁】

次に、社会保険の扶養についてですが、収入が130万円を超えてくると、妻は夫の扶養から外れ、自分で社会保険料(健康保険や年金)を支払わなければなりません。

例えば、130万円を1万円超えて131万円となると、国民健康保険料と国民年金の場合は年間で約26万円(※金額は自治体によって多少異なります)、協会けんぽと厚生年金の場合は年間で約18万円発生するため、130万円を少しだけ超えるような働き方をした場合には、社会保険料の発生によって手取り額が逆に減ってしまいます。

※妻の勤務先によっては106万円以上の収入があると、夫の扶養から外れて勤務先の社会保険に加入しなければならない場合もあります。

以上、税金と社会保険の壁(扶養)についてまとめると下図のようになります。

税金の壁(103万円や150万円、201万6000円)については、実は超えても妻の収入にも夫の収入にもそれほど大きな影響はありません。確かに税金は発生してしまいますが、働いたら働いた分だけ手取りは増えていきます。社会保険の壁(130万円)については、130万円を少しだけ超える収入(131万円~150万円)だと、社会保険料の発生によって手取りは逆に減ってしまいます。

そのため、社会保険の扶養を外れて、自分で社会保険料を支払うようになった場合には、少しだけ130万円の壁を超えるような働き方はしない方が良いでしょう。130万円を超えるのであれば大きく超えて働いた方が損はありません。

ただし、社会保険料を支払うということは、将来受け取れる年金額(厚生年金)が増えるという事なので、そういった意味では一概に損とは言いきれません。

○○の壁、扶養に関しては、税金の問題と社会保険の問題が関わり合うので、意外と複雑になっています。よくわかないからという理由で、とにかく103万円以下に抑えて働いていたという人は、今回のコラムを読んで働き方を一度考えてみてはいかがでしょうか。

今よりも多く働ける状況にあるのであれば、扶養や壁などは気にせず、どんどん働くことによって収入を増やす事が出来ます。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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