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第2回 住宅購入時にかかる諸費用

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宅を購入するにあたり物件の購入価格以外にも様々なお金が諸費用としてかかってきます。住宅購入時には当然その諸費用も準備すべきであり、一般的に新築物件の場合は物件価格の4~7%程度、中古物件の場合は6~10%程度、諸費用がかかってくると言われています。中古の方が諸費用が高い理由として、中古物件はほとんどの場合、間に仲介業者が入るため仲介手数料が発生します。そのため仲介手数料分諸費用が高くなります。

マイホームの購入資金計画として諸費用分を考慮せず、頭金だけを準備していると思わぬ落とし穴にはまってしまう場合があります。例えば、新築のマンション(価格4000万円)を購入しようと頭金を500万円、住宅ローンで借り入れ3500万円で計画していた所、実際には諸費用として160万円~280万円程かかってきてしまうため頭金として準備していたお金の半分近くが消えてしまいます。その結果、予定よりも多くの住宅ローンを借りることになり、毎月の返済額が増え、ライフプランニングが崩れてしまうということになりかねません。そういった失敗に陥らないために住宅購入時にかかる諸費用について、いったいどんなお金がどれぐらいかかり、いつ支払うべきなのか具体的に解説していきたいと思います。

かかるお金の種類と概算と支払い時期

≪購入申し込み時≫

■申込証拠金(0~10万円)

※住宅価格に含まれるため諸費用としては別途準備する必要はない
申込時(契約前)に購入の意思表示として申込証拠金を不動産会社から求められるケースがあります。契約時に手付金や諸費用に充てられ、もし契約前にキャンセルになった場合は返却されるのが一般的ですが、購入をキャンセルしたときに返還されるかどうか支払う前に確認しておくと良いでしょう。

≪売買契約時(購入申し込み後1週間前後)≫

■手付金(物件価格の5~10%や100万円程度)

※住宅価格に含まれるため諸費用としては別途準備する必要はない
契約時に証拠金として先払いで支払う代金で、物件購入代金の一部になります。買主の都合で契約を破棄するときには手付金を放棄することによって契約が解除でき、売主の都合によって契約を破棄するときは手付金を返還し、さらに手付金と同額(合計で手付金の倍額)を買主に支払います。この手付金によって買主・売主とも契約後に簡単に解除できないような仕組みになっています。
ただし、住宅ローン審査の結果、ローンが通らず買主がお金が借りられないとなった場合には手付金をそのまま買主に変換し契約を白紙にすることが出来る「ローン特約」という特約が存在します。

■印紙税(1万円 ※物件価格1000万円~5000万円の場合

不動産の契約書や住宅ローンの契約書など、お金のやりとりがある取引の際に作成される文書に係る税で、決められた額の印紙を郵便局などで買い、契約書に貼りつけて印鑑または署名で消印を押すことで納税したことになる。
印紙税のうち、家を買うとき、家を建てるとき、リフォームするときの契約については「税額の軽減」(下表右側)が受けられ、住宅ローンを借りるときには軽減措置はない(下表左側)。

契約金額 本則税率
(住宅ローンの契約)
軽減後の税率
(不動産売買契約、建築請負契約)
500万超1000万円以下 1万円 5000円
1000万超5000万円以下 2万円 1万円
5000万超一億円万以下 6万円 3万円

※2014年4月1日~2018年3月31日に作成される契約書に適用。

≪決済時(物件の引き渡しまでに決済を行う)≫

決済時に購入物件の残金(物件価格-手付金)を支払うとともに下記費用がかかってきます。

■仲介手数料(103万6800円 ※物件価格3000万円の場合
仲介手数料の上限額は(物件価格×3%+6万円)×1.08(消費税)

契約時に先に半金の支払いを求められる事もあります。住宅を購入する際、間に仲介業者がいれば仲介手数料が発生します。
新築マンションにあるようにデベロッパーが直接売主に販売するような場合には仲介者がいないため手数料は発生しません。※新築でも仲介業者が間に入る場合は手数料が発生します。

■登記費用(20~40万円程 ※物件価格と司法書士による

家を買ったり建てたりするときには、土地や建物の権利関係を明らかにするために登記手続きという手続きが必要となります。住宅の登記には、新築建物を建てた際に必要な所有権保存登記、土地や建物の所有権が変わる際に必要な所有権移転登記、また、住宅ローンを借りる際に抵当権設定登記があります。抵当権設定登記は、この土地は住宅ローンを借りて買った土地であり、もし住宅ローンを支払えなくなったときは銀行が住宅ローンの肩代わりとしてこの土地をもらっても良いという権利を公的に認めさせる登記です。
これらの登記手続きの際には登録免許税という税金がかかってきます。

それぞれの税額は、固定資産税評価額や、住宅ローンの借入額(抵当権設定登記の場合)に一定の税率をかけて計算され、下記表にあるように期間によっては軽減税率が適用されます。固定資産税評価額とは、固定資産税を決定するための基準となる評価額の事で、「土地の固定資産税評価額」と「家屋の固定資産税評価額」の2種類があります。
また、不動産登記は司法書士に代行してもらうのが一般的で、依頼した際に司法書士に対する報酬も必要になってきます。司法書士への報酬額は、登記する土地・建物の評価額(抵当権設定登記では債権額)によって変わる場合が多く一概にはいえませんが、おおよそ10万円~15万円です。また、家を建てる際には建物表題登記という手続きも必要ですが、表題登記に登録免許税はかからず、代行してくれる土地家屋調査士に手数料(10万円前後)を支払う必要があります。

本則 軽減後
土地の所有権の移転登記 2% 1.5%(平成29年3月31日まで)
新築建物の所有権の保存登記 0.4% 0.15%(平成30年3月31日まで)
中古建物の所有権の移転登記 2% 0.3%(平成30年3月31日まで)
住宅ローンの抵当権の設定登記 0.4% 0.1%(平成30年3月31日まで)

※2014年4月1日~2018年3月31日に作成される契約書に適用。

■住宅ローンに関わる費用
□印紙税(2万円)

ローン契約書に印紙税を貼ることによって支払います。

□抵当権設定登記費用(6~8万円程 ※借入金額2500万円の場合の概算

抵当権設定登記による登録免許税と司法書士への報酬です。借入額と司法書士によって金額は変わります。

□融資事務手数料(3~5万円程)

住宅ローンを申し込む際に手続きに対する報酬として銀行に支払う手数料です。借入金額に応じて事務手数料が変動する「定率制」(借入額の2%程度)を採用している銀行と、常に一定の事務手数料を支払う「定額制」(定率制に比べて金利が0.1%~0.3%程度高く設定されているのが一般的です)を採用している銀行の2種類があります。

□保証会社保証料(50万円程度 ※借入額2500万円の場合

万一、ローンの返済が出来なくなった時に、保証会社が契約者の代わりに残りのローンを銀行に支払うことによって銀行は貸し倒れリスクを回避することが出来ます。保証料とは保証会社が銀行に代わってそのリスクを背負う費用です。
ただし、契約者は返済先が銀行から保証会社へ切り替わるだけで、返済義務が無くなる訳ではありません。保証料の支払い方法は、借入時に一括前払い(借入金100万円に対して2万円程度が目安)、または保証料分を金利上乗せ(住宅ローン金利に0.2~0.3%上乗せ)という形で毎月の返済と一緒に支払う分割方式があります。メガバンクは融資事務手数料が一律数万円など安い代わりに保証料がかかり、ネット銀行は融資事務手数料が高い代わりに保証会社を使わずに自行内で審査等をしているため保証料が0円など安い傾向があります。

また、途中で繰り上げ返済や借り換えをした場合に、(一括払いした場合の)保証料は一部戻ってくるのに対して事務手数料は戻ってこないという特徴があります。
結局、総額でどちらが安いかは場合によるのでシミュレーションしてみた結果で判断すると良いでしょう。

■火災保険、地震保険料(約10万円 ※マンション75㎡で保障額1000万円(水災補償無し)、家財保障額1000万円、地震保険有りで10年一括払いの場合

戸建てかマンションか、建築年月や構造、一括払いか分割払いか、補償額と補償対象、地震保険の有無によって保険料が変わってきます。

■団体信用生命保険料(1年目保険料9万円(総額約170万円)※借入額2500万円、借入期間35年、元利均等方式、金利1%の場合

借入金額や借入期間、金利によって変わってきます。金利に含まれる(金利に上乗せされる)場合は団体信用生命保険料としては0円ですが、金利が上乗せされた分毎月の返済額は増えます。

■固定資産税、都市計画税清算金(固定資産税約3万5000円、都市計画税約1万5000円 ※建物の固定資産税評価額1300万円、土地の固定資産税評価額600万円で引き渡し日が8/31の場合

固定資産税=課税標準(固定資産税評価額)×1.4%(標準税率)

都市計画税=課税標準(固定資産税評価額)×0.3%(上限税率)

毎年1月1日に土地や家屋といった不動産を所有している人に対しては固定資産税がかかります。通常、一括で支払うか年4回に分けて支払います。固定資産税は不動産を所有している限り毎年支払う義務があります。

1月1日時点で不動産を所有している人が固定資産税を全額納付しますが、例えば年の途中で不動産の売買が行われた場合、この1年分の固定資産税を日割りして買主と売主で清算することになっています(引き渡し日から年末までの期間の日数に応じた金額を買主から売主に支払う)。固定資産税の清算は法律で特に規定はされていませんが、実際の取引きにおいてはほとんどの場合で清算されています。売買契約書の中にも固定資産税の清算に関する条項が盛り込まれていることがほとんでどです。
また、固定資産税に加えて都市部では市街化区域内の不動産の所有者に対して、「都市計画税」という税金も別途かかってきます。

■修繕積立基金(20~40万円程)

新築マンション特有の費用。20万円台~40万円台が多いです。

≪物件引き渡し後≫

■不動産取得税(建物部分の不動産取得税は3万円、土地部分の不動産取得税は0円※新築で建物の固定資産税評価額1300万円、土地の固定資産税評価額600万円の場合)
不動産取得税=固定資産税評価額×3%(※平成30年3月31日までの軽減税率)

土地を買ったり家を買ったり建てたりして不動産を取得した際に一度だけかかる税金です。取得後6ヶ月~1年半くらいの間に都道府県から届く納税通知書を使用して納付します。税率は基本的には4%だが、宅地に関しては平成30年3月31日まで3%とする軽減措置が設けられています。また、それ以外にも新築、中古それぞれ軽減措置があり、税額が0円となるケースもあります。

※不動産取得税の税額軽減(控除額は自治体によって異なり、下記は東京都の場合)

≪新築の場合≫

【建物】

不動産取得税=(固定資産税評価額-1200万円)×3%

※一戸建て以外の住宅については独立した区画ごとに控除される
※認定長期優良住宅の新築の場合の特例
新築住宅の1200万円控除にかえて1300万とする(平成30年3月31日までの特例)
≪要件≫
・床面積が50㎡以上(戸建て以外の貸家住宅は一戸当たり40㎡以上)240㎡以下であること

【土地】

不動産取得税=(固定資産税評価額×1/2×3%)-控除額

控除額(下記AかBの多い金額)
A=45,000円(税額が45,000円未満である場合はその額)
B=(土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×(課税床面積×2(200㎡を限度))×3%

≪要件≫
・建物の軽減の要件を満たす事
住宅の新築より先に土地を取得した場合
・取得から3年以内にその土地の上に住宅が新築されていること

≪中古の場合≫

【建物】

不動産取得税=(固定資産税評価額-控除額)×3%

≪要件≫
・個人が自己の居住用に取得した住宅であること
・床面積が50㎡以上240㎡以下であること
・次のいずれかに該当するものであること

①昭和57年1月1日以降に建築されたものであること(固定資産課税台帳に記載された新築日で判断)
②①に該当しない住宅で、建築士等が行う耐震診断によって新耐震基準に適合していることの証明がされたもの
③新耐震基準に適合しない住宅で、入居前に新耐震基準に適合するための改修を実施する一定の中古住宅であること

新築された日 控除額
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日 100万円
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 150万円
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 230万円
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 350万円
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 420万円
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 450万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日 1000万円
平成9年4月1日以降 1200万円

【土地】

不動産取得税 = (固定資産税評価額 × 1/2 × 3%) - 控除額(下記AかBの多い金額)

A = 45,000円(税額が45,000円未満である場合はその額)
B =(土地1m2当たりの固定資産税評価額 × 1/2) × (課税床面積 × 2(200m2限度)) × 3%

≪要件≫
・建物の軽減の要件を満たす事
・土地を取得した方が土地を取得した日から1年以内(同時取得を含む)にその土地の上にある住宅を取得していること
・住宅を取得した方が住宅の取得後1年以内にその敷地を取得していること

以上が住宅購入時に必要な諸費用とその概算です。これらを合計すると、仲介手数料が発生する場合は物件価格の7.5%、新築で仲介手数料が発生しない場合は5%ほど諸費用がかかることになります。
そのほか、引っ越し代や家具購入費用等も当然かかってきますので、やはり、冒頭の話にあったように新築物件の場合は物件価格の4~7%程度、中古物件の場合6~10%程準備しておくと安心でしょう。
これから家を買おうと計画している方は、頭金以外にも諸費用についても計画しておけば、購入時に予想外の費用に将来の資金計画がずれて慌てることもなくなると思います。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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