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第16回 払い過ぎた税金が○○万円戻ってくる!

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然ですが、税金の制度をよく知らないままいた場合、下記のようにこれまでに払った税金が戻ってくる可能性があります。

・同居している親が年金暮らしだったら○○万円戻ってくる!
・別居している年金暮らしの親に仕送りをしていたら○○万円戻ってくる!
・育休中の奥さんがいたら○○万円戻ってくる!
・ひとり親の家庭であれば○○万円戻ってくる!

なぜお金が戻ってくるのかを知るためには、まずは所得税の仕組みについて簡単に知る必要があります。最初に、言葉の意味として”年収”や”収入”と”所得”は意味する所が違うので、そこから解説していきます。

お店を開いて商売を行っている人をイメージするとわかりやすいと思いますが、商品を売って収入を得ても、それがそのまま儲けとはなりません。商品を売るためには、当然、原材料など経費が掛かっていますので、収入-経費が儲けとなります。この儲けの部分を所得といいます。売上が収入、儲けが所得というイメージです。

そして、その所得に対して○%と所得税がかかってくる訳ですが、累進課税制度と言って、所得(儲け)が高い人程、税率が高くなるように設定されています。例えば、現在(平成30年)の税率だと、所得が300万円の人は所得税率が10%、所得が2000万円の人は所得税率が40%となっています。

では、会社員の場合はどうなるのでしょうか。自分で商売をしているわけでないので、特に経費というものはなさそうに思えます。しかし、実は会社員の場合は、年収に応じて自動的に経費が計算され、所得税を計算する上で収入から経費が差し引かれています。この経費の事を給与所得控除といいます。

つまり、給料(収入)-給与所得控除(経費)=所得(儲け)
となっています。そして、所得に所得税率が〇%と掛けられ、所得税が計算されるわけですが、ここで例えば、結婚して奥さんを扶養に入れたり、子供を養っていたりすると、税金を計算する上で所得からお金を引いてくれる制度があるため、その分、所得税が下がります。

これを所得控除と言います。話がややこしくなってきましたが、図にすると下記のようになります。

さて、この所得から差し引くことができる所得控除ですが、全部で14種類の所得控除があります。ただ、知らないがために使えていない人が多く、それが冒頭の例文につながってきます。

所得控除が使える家族状況の場合、年末調整の時期に扶養控除等申告書(下図参照)という書類を書いて勤め先に提出するのですが、その際に扶養に入れ忘れていたり、寡婦(寡夫)控除という控除を知らなかったりすると、税金を必要以上に多く支払うことになります。

会社側が親切に教えてくれれば良いのですが、社員一人一人の家族状況について把握して指摘することは難しいため、払い過ぎたままという事態が起こります。

例えば、下記のような人は親を扶養に入れて、扶養控除を使うことが出来ます。

■年金暮らしの親と同居して生計を一にしている場合
① 70歳以上の同居している親の年金額が158万円以下であれば
⇒58万円の所得控除(住民税45万円)
② 65歳以上70歳未満の同居している親の年金額が158万円以下であれば
⇒38万円の所得控除(住民税33万円)
③ 65歳未満の同居している親の年金額が108万円以下であれば
⇒38万円の所得控除(住民税33万円)
※年金には遺族年金や障害年金の額は含めません

■年金暮らしの親と別居しているが仕送り等で生計を一にしている場合
④ 70歳以上で別居している親の年金額が158万円以下であれば
⇒48万円(住民税38万円)
⑤ 65歳以上70歳未満で別居している親の年金額が158万円以下であれば
⇒38万円の所得控除(住民税33万円)
⑥ 65歳未満の別居している親の年金額が108万円以下であれば
⇒38万円(住民税33万円)
※年金には遺族年金や障害年金の額は含めません

上記の場合で、もし扶養に入れ忘れていた場合、確定申告をする事によって5年分までは遡って払い過ぎた税金を戻す事が出来ます。それぞれのケースで戻ってくるお金5年間分を計算してみると、概算額は下記のようになります。
※年によって所得控除の額が変わる場合もあるため、あくまで概算額となります。

扶養する人(子供)の所得税率が10%の場合、住民税もあわせて還付されるため、両親2人分、5年間の合計で
① (58万円×10%+45万円×10%)×5年間×2人=103万円
② (38万円×10%+33万円×10%)×5年間×2人=71万円
③ (38万円×10%+33万円×10%)×5年間×2人=71万円
④ (48万円×10%+38万円×10%)×5年間×2人=86万円
⑤ (38万円×10%+33万円×10%)×5年間×2人=71万円
⑥ (38万円×10%+33万円×10%)×5年間×2人=71万円

が戻ってくるお金の概算額となります。
場合によっては100万円ものお金が戻ってくることもあるためかなりの大金です。

次に寡婦(寡夫)控除という、離婚や死別でひとり親となった人が使える控除が下記となります。ただし、再婚した場合は控除の対象から外れます。また未婚のひとり親の場合は対象とはなりません。寡婦(寡夫)控除の申請は、年末調整時の書類の寡婦に該当するかどうかの部分に丸をつけることによって申請できます。(平成30年からはチェックボックスになっています)該当する人は、丸をつけるかつけないかで税金が変わり、手取り額が変わってくるので注意しましょう。

寡婦控除(夫と死別または離婚してその後再婚していない女性)
① 離婚して扶養親族がいるor同一生計の子がいる⇒27万円(住民税26万円)
② 離婚して扶養親族の子がいて合計所得金額が500万円以下⇒特別の寡夫 35万円(住民税30万円)
③ 死別して合計所得金額が500万円以下⇒27万円(住民税26万円)
寡夫控除(妻と死別または離婚してその後再婚していない男性)
④ 死別もしくは離婚して扶養親族の子がいて合計所得金額が500万円以下⇒27万円(住民税26万円)

もし、申請するのを忘れてしまっていたという人は確定申告する事によって5年分まで遡って払い過ぎた税金を戻す事が出来ます。

戻ってくるお金は、お父さんまたはお母さんの所得税率が5%の場合、5年間分で
① (27万円×5%+26万円×10%)×5年間=19.7万円
② (35万円×5%+30万円×10%)×5年間=23.7万円
③ (27万円×5%+26万円×10%)×5年間=19.7万円
④ (27万円×5%+26万円×10%)×5年間=19.7万円
となります。

また、これも意外と知られていていないですが、育休中の奥さんも扶養に入れる事が出来ます。なぜなら産休、育休手当は給与ではないので、税金を考える上では収入には入りません(注:社会保険の扶養を考える上では収入となりますが、育休中は社会保険料が免除されています)1/1~12/31で産休、育休手当以外の給与収入が201万円以下であれば扶養にいれることが出来ます。
※配偶者の所得が1000万円超だと扶養に入れることは出来ません。

また、同様に失業手当をもらっている人も失業手当は税金を考える上で収入には入らないため、失業手当以外の給与収入が201万円以下であれば扶養に入れることが出来ます。
(注:社会保険の扶養を考える上では収入となります)

注意点として、扶養には”税の扶養“と”社会保険の扶養“と2種類あり、それぞれ条件等が全く異なるので注意してください。今回解説した扶養は税金に関する扶養です。

このように、仕組みを知らず年末調整を会社任せにしていると損している場合もあります。
申告するのを忘れていたという人は、税理士やファイナンシャルプランナーや税務署に相談してみましょう。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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