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第12回 会社を休んでも給料の○○は1年半の間受け取れる!?

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社員の人が体調をくずして会社を休む事になったとしても2~3日休む程度であれば、通常、有給を使って休むことになるため、(残業代などは別として)休んだ分給料が減るということはないでしょう。

しかし、例えば1年間病気で休むことになってしまった場合はどうでしょうか。有給を使い切ってしまった場合、その後の給料は0のまま1年間過ごさなければならないのでしょうか。もしそうだとしたら貯蓄を取り崩していくか、貯蓄が無ければ生活していくことが難しくなってしまうでしょう。

病気やケガで治療費が高額になった時は「高額療養費制度」という公的な保障があります。それと同様に、会社を長期的に休んだ場合の収入に対する公的な保障として健康保険の「傷病手当金」という制度があります。

この「傷病手当金」により、会社員の方であれば、病気やケガで会社を休んだとしても給料の3分の2は最長1年半の間受け取る事ができます。入院中だけでなく自宅療養中でも支給されます。

ただし、この制度は健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)から支給されるため、国民健康保険に加入している自営業の人には傷病手当金はありません。会社員や公務員だけが利用できる制度となっています。

【支給条件】

傷病手当金が支給される条件として下記の1~4すべての条件を満たす必要があります。

1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
※業務上のけがや病気に関しては労災保険の対象となります

2.仕事に就くことができないこと

3.連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
※療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期期間)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。待期期間には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれます。

4.休業した期間について給与の支払いがないこと
※ただし、給与の支払いがあっても傷病手当金の額よりも少ない場合はその差額が支給されます。

【支給期間】

傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月です。支給期間の考え方としては下記の図のようになります。必ずしも1年6カ月分受け取れるわけではなく、1年6カ月の間に休んだ日数分だけが支給されるとなっている点に注意が必要です。

例えば、休職した後、途中一度復職して傷病手当金の支給対象から外れ、その後、同じ病気のために再度休職した場合でも、復職した期間も1年6か月の中に算入されるため、最初の支給開始日から1年6カ月までの支給となります。支給開始後1年6ヵ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても傷病手当金はそれ以上支給されません。

ただし、別の病気(病名が違うということではなく因果関係のない全く異なる病気やケガ)で新たに就業不能となった場合や、同じ病気でも、完全に治ったと診断されて復職し、長期間なんの支障もなく勤務していたのに、また同じ病気になった場合などは、リセットされて新たに傷病手当金の支給が認められることもあります。

【支給金額】

支給金額は1日につき「標準報酬日額×2/3」の金額を受取ることができます。
標準報酬日額は、(支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額)÷30日で計算されます。標準報酬月額とは、毎月の給料の月額が区切りの良い幅で区分されたもので、標準報酬月額表という表にあてはめて算出されます。

支給金額の算定にあたっては、賞与(ボーナス)は含まれませんが、各種手当(残業手当、通勤手当、住宅手当等)は含まれます。また、傷病手当金は非課税となっているため支給額から税金が引かれることはありません。

申請してから、支給開始までには1ヶ月程度かかり、申請には①医師の意見書「治療のために就労ができない証明」と②事業主の証明書「会社を休んでいることと、給与が支払われていないことの証明」の2つが必要となってくるため事後申請となります。

ただし、一般的には早く生活費を確保する必要があるため、何ヶ月分も溜めてから申請するのではなく、給与の締切日ごと(1カ月ごと)に申請することになります。

【付加給付】

健康保険組合によっては、組合独自の制度として、追加で支給金額が上乗せされたり、支給期間を延長してくれたりすることがあります。前回解説した高額療養費の付加給付と併せて、自分が加入している健康保険組合については調べておくとよいでしょう。

普段意識すること無く給料から自動的に引かれて支払っている健康保険ですが、その給付内容について良く分かっているという人は意外と少ないのではないでしょうか。

前回の高額療養費制度や今回の傷病手当金のように実際はかなり充実している内容で、これらの内容を知っておくだけでも安心できますし、また民間で加入している保険を見直すことによって節約できるかもしれません。

これらの制度を知らなかったという人は、前回の医療保険と同様に、働けなくなった時の就業不能保険についてもチェックして見直してみる価値はあると思います。

次回は「病気やケガで働けなくなった時に受け取れる○○年金」について解説していきます。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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