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第11回 入院や手術をしても治療費は最大で○万円しかかからない!?

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ラムも今回で11回目となりました。第1回~10回までは住宅に関わるお金の基礎知識として掲載してきましたが、今回からはもう少し幅を広げて「生活していく上で知っておくべきお金の基礎知識」として解説していきます。まずは、私達が生活していく上で非常に関わりのある社会保障制度について解説していきます。

社会保障に関しては、多くの方が、保険料がお給料から自動的に引かれているためか、毎月支払っているにも関わらず、その内容についてよく知っているという方は非常に少ないのが現実です。

例えば、「入院や手術をしても治療費は最大で○万円しかかからない」、「会社を休んでも給料の○○は1年半の間受け取れる」、「年金は老後もらえるだけではない、○つのもらい方がある」など、どこかで聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの制度を知っていると知らないとでは生涯で何百万円も収支が変わってくる場合があります。

なぜ、そこまで変わってくるのか、そしてこれらはいったいどんな制度なのか、について今回から少しずつ解説していこうと思います。まずは、医療費に関する健康保険の「高額療養費制度」という制度について解説していきます。

入院や手術をしても治療費は最大で○万円しかかからない!?

例えば、なにかしらの病気やケガで入院、手術をして、医療費として100万円かかってしまったとします。保険証があれば3割負担なので30万円の自己負担かな?と思う所ですが、実はそうではありません。

結論から言うと多くの方が、自己負担額は8万7430円となります。なぜそうなるかについては、健康保険の高額療養費制度という制度によって、最終的な自己負担額が年齢や所得によって区分けされた下記の表の計算式にあてはめて計算された額となるからです。

つまり「高額療養費制度」によって、1カ月の医療費の自己負担額には上限が定められており、それを超えてかかった分に関しては給付される仕組みとなっています。

具体的に計算してみますと、例えば40歳で年収500万円の方が、仮に100万円の治療費がかかった場合の自己負担額を計算してみると下記のように87,430円となります。

注意点としては、高額療養費制度はひと月(1日から月末日まで)ごとの計算となるため、月をまたいだ場合には自己負担額の合算はされません。また、入院時の食事代や差額ベッド代、先進医療の技術料などは高額療養費制度の適用対象外です。

【多数回該当】

過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は4回目から「多数回該当」となり上限額がさらに下がります。

例えば、年収500万円の方が、1月~4月に連続して毎月100万円の治療費が発生した場合には、1月~3月の自己負担額はそれぞれ87,430円ですが、4月の自己負担額は44,400円となります(入院時食事代や差額ベッド代などの自己負担分は除く)

【世帯合算】

1人の負担額では上限額を超えない場合でも同じ世帯にいる家族の人の受診について、窓口でそれぞれ支払った自己負担額を1月単位で合算することが出来る世帯合算という制度もあります。ただし、69歳以下の場合、2万1000円以上の自己負担のみ合算されます。

【限度額適用認定証】

高額療養費は基本的には後から給付される仕組みとなっています。病院の窓口でまずは3割負担額を支払い、後日、保険者(健康保険組合、協会けんぽ、共済組合、国民健康保険など)から高額療養費として支給されます。支給されるまでに短くても3ヶ月程度かかるため、一旦は自分で建て替える必要があります。

ただし、事前に入院するということが分かっていれば、限度額適用認定証というものを加入している保険者で発行しておくことによって、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることが出来るため、立て替える必要がありません。事前に入院することが分かっており、医療費が高額になりそうなときは限度額適用認定証を保険者に申請して発行しておくことをおすすめします。

【付加給付】
1ヶ月の自己負担額が87,430円ではなく、25,000円で済む人もいる!?

このコラムを読んでいる方に、是非ともチェックして頂きたいのがご自身の保険証がどんな種類の保険証なのかについてです。自営業の方であれば国民健康保険、サラリーマンや公務員の方であれば保険証の下の所に全国健康保険協会や○○健康保険組合、○○共済組合などが書かれていると思います。

例えば、大手企業などが独自に作っている健康保険組合や公務員の方の共済組合には独自の上乗せ給付がある場合があり、これを付加給付と呼びます。健康保険のホームページや福利厚生のハンドブック等で調べてみると、その内容が載っており、「一部負担金払戻金」「一部負担還元金」「療養費付加金」などと呼び名や給付額は各健康保険組合によってそれぞれ異なりますが、例えば1ヶ月の自己負担限度額が25,000円など、高額療養費制度の自己負担限度額よりもさらに低い自己負担額で済む場合があります。また、付加給付は扶養されている家族も対象となるため大変お得な制度と言えます。

これらの制度を知らずに民間の保険会社の医療保険に加入している場合、もしかしたら毎月、必要以上の保険料を支払っているかもしれません。確かに多くの保険に加入しておけば、安心ですし、いざという時に助かるかもしれませんが、当然その分保険料は高くなり収支を圧迫してしまいます。

万が一の保障も大切ですが、将来に向けての貯蓄も大切です。バランス良く、自分にどれだけの保障が必要なのかについてよく考え、適切な保険に加入することによって無駄な保険料を省くことが出来るでしょう。

今回ご案内した制度を良く理解し、医療保険を見直すことによって場合によっては生涯で数十万円~数百万円の節約につながるかもしれません。次回は「会社を休んでも給料の○○は1年半の間受け取れる」について解説していきます。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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