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第1回 住宅ローンの基礎知識と選び方

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育資金、老後資金に並んで人生の3大支出の1つと言われている住宅資金。家は中古であれ新築であれ数千万円単位の買い物になることから購入を決めた時点で全額を自己資金で賄えるという方は多くはいらっしゃらないでしょう。
そこで、現役世代の若いうちから住宅を購入することができる仕組みの一つが住宅ローンです。住宅ローンは、家を買いたいと考えていてもその時点では資金をまだ準備出来ていないという人のために金融機関がお金を貸してくれるローン商品です。住宅購入の目的に限定してお金を貸してくれるため、他のローンに比べて金利が低いのが特徴です。
なぜ金融機関が低い金利で貸してくれるのかについては、もし住宅ローンの返済が途中で滞ってしまった場合に金融機関が購入した家を担保にしているため、競売にかけて資金を回収できるからです。そうなってしまった場合には住宅購入者は住む家を失ってしまうことになります。
そのため住宅ローンを使うときは、長期にわたって返済できるかについて慎重に検討してから借りなければいけません。しかし、住宅ローンには様々な種類の商品があり、いったいどの商品をどのように選べばよいのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

例えば、具体的に住宅ローンを借りる際に決めることは、

  • いくら借りるのか?頭金をいくらにするのか?
  • 返済期間を何年にするのか?
  • 毎月返済に加えてボーナス時に
     多く返済した方がよいのか?
  • 金利何%で借りるのか?
  • 固定金利か変動金利か?
  • 返済方法は元利返済方法か元金返済方法か?

などがあります。
そこで今回は、上記のような疑問に答えられるようにまずは住宅ローンの基礎知識について基本的なところから解説していこうと思います。
住宅ローンには下記のように金利のタイプや返済方法によって様々な商品があります。

住宅ローンの種類

1 金利

まずは金利と一言で言っても、実際に銀行のホームページを見てみると様々な数字と説明書きが並んでおり、どれが実際に適用される金利かがわかりづらくなっています。

例えば、下記のように

年0.6%
※店頭表示金利2.5%より最大年-1.9%の場合

と表示されていた場合、実際に適用される金利(実行金利)はいったいいくらなのでしょうか。
店頭表示金利とは銀行の店頭で表示している金利であり、金利優遇(金利引き下げ)される前の基準になる金利で「基準金利」とも呼ばれます。

多くの金融機関が店頭表示金利よりも低い金利で融資する金利引き下げ制度を設けています。
優遇される(引き下げられる)金利幅は借入する人の属性(職業や年収)や購入する物件によって異なり、ホームページに載っている実行金利は優遇(引き下げ)が最も大きい場合の一番低い金利が表示されています。

上記の例ですと、0.6%が最優遇金利です。
当然、購入物件や人によっては引き下げ幅が小さくなる場合もあります。

金利の引き下げ幅が借入時から完済まで全期間通して一律のものと、当初3年間は引き下げ幅2.0%、その後は1.5%と途中で変動するものもあるので注意が必要です。

固定金利と変動金利

次に金利のタイプですが、固定金利と変動金利とがあります。

(全期間)
固定金利
借り入れ当初から完済までずっと金利が変わりません
変動金利 金利が返済の途中で変動します。
一般的な変動金利は半年ごとに金利が見直されます。
ただし、毎月の返済額は半年ごとには変わらず5年間は一定で(その間は返済額のうちの元金部分と利息部分の割合が調整される)5年毎に見直されます。
また、5年毎の返済額の見直し時に返済額が増加した場合にはそれまでの返済額の25%増が上限とされています。
固定期間
選択型金利
最初の数年間は固定金利で、その後固定期間が終了した後は変動金利に移行するか再び固定金利にするのかを選択できます。
固定期間は3年、5年、10年など商品ごとにそれぞれ設定されています。
固定期間終了後、金利が上昇している場合は返済額アップの上限が定められていないケースが多いため返済額が大幅に増える可能性があります。

固定金利
固定金利 メリット 借り入れ当初からずっと返済額が変わらないため安心感がありライフプランニングも立てやすい
デメリット 変動金利よりも金利が高め
変動金利 メリット ・一般的に固定金利よりも金利が低い
将来金利が減少した場合に返済額も減少する
デメリット 将来金利が上昇した場合に返済額が増える
・金利=返済額が一定ではないためライフプランニングが立てづらい

固定金利と変動金利、どちらが有利かは将来の金利予測が出来ないため事前にはわかりません。
ただ、今は超低金利の時代であり全期間固定と変動金利の金利差が0.5%程しかないためずっと返済額が変わらず安心して返済していける固定金利の方が良いのではないかと個人的には思っています。
今は固定金利を選んだ方が断然リスクが少ないと言えるでしょう。

例えば、金利の低い今は変動金利で借りておいて、金利が上がったらすかさず固定金利に切り替えるという方法はうまくいくのでしょうか。
一般的に金利が上昇する場合、固定金利の方が先に金利が上昇しその後、変動金利が上昇するのがほとんどです。
つまり、最初に変動金利0.6%で借りていて、金利が上昇して1.5%に上がってしまったから固定金利に切り替えようと思ったら、固定金利は既に2.0%になっていたという感じです。
このように、固定金利への逃げ道を先に失ってしまうので実際にはなかなかこの方法はうまくはいかないと思います。
今、毎月返済している金額よりも返済額が高くなる方に変更するという決断ができるような余裕のある家庭はそうはいないでしょう。

2 返済方法

次に、住宅ローンの返済方法には元利均等返済と元金返済方法という2つがあります。
基本的に、この2つの返済方法のどちらかを選んで返済していくことになります。
また、どちらの返済方法にせよ、毎月の返済額にボーナス返済分をプラスして返済する場合があります。
もしも返済中に転職してボーナスが無くなったりした場合はボーナス返済をなくしたり減らしたりすることも可能ですが、ボーナス返済を途中で無くしたり減らしたりすると毎月返済額が増えるので注意が必要です。

元利均等返済と元金均等返済

「元利均等返済」は毎月の返済額が同じになるように元金と利息の割合を調整して返済していく方法であり、「元金均等返済」は元金を毎月均等にする返済方法で、返済がスタートした当初は残りの元金が多いのでかかる利息が多くなり返済額が高めで、返済が進むにつれて返済額が減っていきます。同じ金額を借りるなら元利均等返済のほうが当初の返済額は少なく、総返済額は元金均等返済の方が少なくなります。

元利均等返済 メリット ・返済スタート時の返済額が元金均等返済よりも少ない
・返済額が一定で予測を立てやすい
デメリット 利息が元金均等返済に比べて多い分総返済額が多くなる。
元金均等返済 メリット 元利均等方式に比べて利息が少ないため総返済額が少ない
デメリット 返済スタート時の返済額が高い

毎月同じ金額を返済していく元利均等返済を選ぶ方がほとんどで、元金均等返済は扱っていない金融機関もあります。

3 返済方法

次に、住宅ローンは最長で何年借りられるのかについてですが、一般的には80歳までに完済できる期間か、35年返済のどちらか短い方が最長の返済期間となります。
つまり、50歳の人だと最長返済期間は80歳までの30年となります。
ただし、親子リレー返済(親子で1本のローンを借入する方法)という返済方法を利用すれば親の年齢ではどうしても返済期間が短くなってしまうものを子の年齢が優先され引き延ばすことも出来ます。

最後に、どこに行けば実際に住宅ローンを申し込むことが出来るのかですが、銀行の窓口に行くか、ネットで申し込むか、検討している物件の不動産会社と提携している金融機関で申し込むか、公的ローンを利用するのかなど様々あります。

  • 直接銀行や信用金庫に行って申し込む。
    (普段使っていいない銀行でもOK。ただし、引き下げ金利を適用する場合は給与振込口座や公共料金の引き落とし口座に指定するなどの条件がある場合がある)

  • インターネットでネット銀行やネット申込対応をしている銀行に申し込む。
  • 検討している住宅の不動産会社やハウスメーカーと提携している金融機関で申し込む。
  • 地方自治体が窓口となっている自治体融資を受ける。
    (条件として一定期間以上、その都道府県や市町村に居住または勤務しており、住民税の滞納がなく、収入制限などの条件をクリアする必要がある。しかし、最近は財政状況の悪化から自治体融資が縮小されている)

  • 勤務先(公務員は共済組合)を通じて財形住宅融資を受ける。
    (条件として、1年以上継続して財形貯蓄を積み立てた経験があり、貯蓄残高が50万円以上あること。借入額は貯蓄残高の10倍(4000万円上限)、もしくは住宅購入額の80%まで)

以上、今回は住宅ローンにはどんな種類があるのかについて基本的な知識とともに解説しました。次回は住宅購入時にかかる諸費用について解説していきます。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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