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第8回 住宅ローンの借り換え

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宅ローンの借り換えとは、簡単に言うと他の金融機関で新たに住宅ローンを借りて、今借りている住宅ローンを完済する方法です。借り換える目的としては、ほとんどの人が金利が下がることによって総返済額が減ることを目的としていると思います。

家計を見直す場合に、最も効果的なのは固定費の見直しです。しかし、例えば毎月の光熱費を節約することは、意識して頑張る割にそれほど効果が得られないことがほとんどでしょうし、節約するにしても限界があります。
また、お小遣いや飲み代を減らしたり、旅行に行くことをあきらめたりすることは精神的にストレスに感じるためこれも長く続けることは難しいでしょう。しかし、下記の3つの固定費の見直しは一度見直しの手続きを行ってしまえば、それ以降はストレスなく自動的に節約になるので非常に効果的です。浮いた分を生活費に回したり、貯蓄に回したりすることが出来ます。

1.生命保険
2.通信費
3.住宅ローン

つまり、これらを適切に見直すことによって大幅な家計改善を図る事ができます。
そこで、今回はその中で住宅ローンの見直し(借り換え)とはどのようなものなのか、またそれによってどれぐらいの効果が得られるのかについて検証してみます。

住宅ローンの金利は近年、非常に低い状態にあります。そのため過去に住宅ローンを組んで今も返済を続けている方の多くは、借り換えすることによって金利を今よりも下げることが出来、支払う利息を減らせる可能性があります。その結果、毎月の返済額を減らしたり返済期間を短くしたりする事が出来ます。

住宅ローンを借り換えるタイミングとしては、住宅金融支援機構のアンケート調査によると下記のような結果が出ています。これを見ると約5割の人が借りてから5年以内に、約8割の人が借りてから10年以内の早いタイミングで借り換えを行っています。

また、借り換えによる金利タイプの変化を見てみると、全期間固定型に借り換えている人は少なく、多くの人が変動もしくは固定期間選択型に借り換えていることがわかります。この事から借り換えの目的としてはやはり、少しでも金利を下げて利息を減らしたいという人が多いということが見てとれます。中には、将来の金利上昇リスクに備えて、低金利のうちに金利タイプを変動から固定に変更して、毎月の返済額を一定にしておきたいという人も少数ながらいます。

しかし、借り換えによって金利が下がり、おそらく返済額を減らすことが出来るだろうとわかってはいても、手続きや情報を取得するのが面倒なために先送りにしている人も多いのではないでしょうか。実際、借り換えによってどれぐらいのメリットが出るのかが具体的にはわからないために中々行動に移せていないという事もあるかもしれません。借り換えによって具体的にどれぐらいのメリットがでるのかについては、各銀行のホームページから簡単にシミュレーションすることが出来ます。

1点注意点として、最初に住宅ローンを借りた時と同様に借り換えの時も諸費用がかかってくるため、諸費用も考慮に入れて検討する必要があります。具体的には下記のような諸費用がかかってきます。

【借り換え時にかかってくる諸費用】
■新規融資手数料・・・数万円の定額型、もしくは借入金額に対して○%の定率型(金融機関によって異なります)
■繰り上げ返済手数料・・・借り換え前の住宅ローンの繰り上げ返済費用 数万円
■保証料・・・返済の期間、借入金額、金融機関によって異なる
■印紙税・・・数万円(借入金額1000万円超5000万円以下の場合2万円)
■抵当権設定登記費用(登録免許税、司法書士報酬)・・数万円~数十万円程度

上記諸費用が合計で数十万円かかってくるため、住宅ローンの借り換えによって利息軽減のメリットが出るかどうかは、諸費用を払っても借り換えによるメリットが出るのかどうか試算してみる必要があります。

では、実際に試算してみましょう。今回は、住信SBIネット銀行のホームページでシミュレーションしてみます。今借りている住宅ローンの残り借入残高が2700万円、残り借入期間が25年で、金利1.5%から0.5%に借り換えた場合、①残り借入期間を同じにした場合、②毎月返済額を同じにした場合(残り借入期間を短くした場合)とでそれぞれ試算してみたところ、下記のような結果になりました。借り換えにおける諸費用は2つとも約78万円としています。

① 残り借入期間を借り換え前と同じにした場合

② 毎月返済額を借り換え前と同じにした場合

どちらの場合も、諸費用を考慮しても300万円程のメリット(※金利がずっと0.5%で同じだった場合)がでるため、借り換えによる効果は相当なものです。面倒だと先延ばしにして、そのまま返済し続けていると300万円の機会損失になっているということです。

また、他の銀行から借り換える以外にも、今借りている銀行に交渉して金利を下げてもらうという方法もあります。今の金利よりも、他行に借り換えた方が金利が下がるような場合には、「他行だと金利が○%に下がるため借り換えを検討しています。今の金利を下げることは可能ですか?」と正直に交渉してみるとよいでしょう。
もし、引き下げることが無理ならそのまま本当に借り換えてしまえば良いだけなので、ダメもとでも交渉してみた方が良いと思います。今の銀行で金利を下げてもらう場合の手数料は無料の場合もあれば数万円程度かかる場合もありますが、借り換えの場合に比べると費用は圧倒的に安くすむため、多少金利は高くても同じ銀行内で金利交渉ができれば、そちらの方がお得になるケースもあります。ただし、金利を引き下げる際にも再審査が必要になってくるため、それまでに返済が滞った事がないか、収入は減っていないかなどはチェックされます。
住宅は人生で1番大きな買い物とも言われるため、借り換えによってメリットがでるのであれば、面倒くさがらずに1日でもはやく借り換えて家計改善に努めるべきでしょう。その際には今回試算してみたように、いくつかの銀行で試算してみて比較検討してみるとよいと思います。次回は、「マンションと戸建てと賃貸どっちがお得?」について解説していきます。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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