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第6回 団体信用生命保険と保険の見直し

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結婚する時や子供が生まれる時は保険を見直す一つのタイミングというのは一般的に良く知られていますが、家を購入した時も実は保険を見直すタイミングの一つとなります。

何故なら住宅ローンを借りて家を購入する際、多くの場合「団体信用生命保険」という保険に加入する事になるからです。もともと生命保険に加入しており保障額の中に住宅費分が含まれていた場合、団体信用生命保険に加入することによって保障が重複する可能性があるため、見直す事によって死亡保障を減らし、保険料を下げられる場合があります。

団体信用生命保険

団体信用生命保険は通称「団信」とも呼ばれ、加入すると家を購入した人(住宅ローンを借りた人)が、死亡したり高度障害状態になった場合に、保険会社から金融機関に残りの住宅ローン残債分の保険金が支払われる仕組みになっており、それ以降住宅ローンの返済が免除されます。

例えば、一家の大黒柱である父親が団信に加入せずに住宅ローンを借りて自宅を購入し、途中、父親に万が一のことがあった場合、遺された家族は代わりにローンを返済していかなくてはならず、もし返済出来ない場合には家を失うことになってしまいます。そうならないために、住宅ローンを組んで家を購入する際には団体信用生命保険に加入するのが一般的です。

そもそも、民間の金融機関で住宅ローンを借りる際には、団体信用生命保険の加入が必須条件になっていることがほとんどなので、団信に加入しないという選択肢はありません。団信の保険料は住宅ローン金利に既に含まれているため、別途保険料を支払う必要はありません。ただし、フラット35など一部の住宅ローンは団信への加入が任意になっているため、加入する場合は別途保険料が必要となります。支払われる保険金額は住宅ローン残債分となっているため、返済が進むにつれて保険料はだんだんと安くなっていきます。

団体信用生命保険は、一般的な生命保険と同じで健康状態に問題があると加入することができません。そのため、団信加入が必須条件となっている金融機関では、持病があったりして団信に入れない場合には住宅ローンを借りることも難しくなってきます。その場合、団信加入が任意となっているフラット35など、利用できる住宅ローンの選択肢が限られてきます。または、ワイド団信という健康状態に関する引受け条件が緩和された団信を提供している金融機関もあり、金利を0.3%程度上乗せすることによってワイド団信を利用し、住宅ローンを借りる方法もあります。

特約付き団体信用生命保険

住宅ローンが支払えなくなってしまう状況は死亡時だけとは限りません。例えば、がんなどの大きな病気にかかり一命は取り留めたものの、健康だった時と同じように働くことが出来なくなり、収入が無くなってしまった場合は、その後も継続的に住宅ローンを返済していくことは難しくなってきます。通常の団信ではこのような場合、死亡した訳ではないので機能しません。

ただ、こういったリスクにも対応できる団信として、特約として、がんで働けなくなった場合に返済が免除されるものや、3大疾病で働けなくなった場合に免除されるものもあります。一般的に、こういった特約が付いた団信に加入する場合は、保険料を追加で支払う必要があり、0.3%前後の金利を上乗せするタイプが多いです。このような団体信用生命保険を選べば、死亡・高度障害にプラスして、がんや3大疾病になって働けない場合にもローン返済を免除することが出来ます。

保障内容は金融機関によって様々で、がんだけに限らず、3大疾病や7大、8大疾病に対応しているものや、同じがんに対する保障でも、例えば、がんと診断されたらその時点で一括完済されるものや、働けない間は住宅ローンが補填され、それが1年以上など一定期間続いたらそれ以降のローンは全て一括返済されるものなどがあります。加入する際には保険金支払いの条件もきちんと確認しておくと良いと思います。

追加のコストが発生しますが、30年、35年と長期的に返済していく事を考えれば、がんや3大疾病に備えておくことも検討しておくべきでしょう。注意すべき点として、基本的に上記のような特約付き団信は途中から付けることは出来ません。そのためとりあえず普通の団信に加入しておいてあとで追加しようといったことは出来ず、また、逆に途中でコストを下げようと特約を外すことも基本的には出来ません(一部、保険料を別途口座から引き落とすタイプは解約可能)。

注意すべき点

団信に加入したら今既に加入している保険はいらなくなるという訳ではないので注意しましょう。時々、団信に加入したことによって、もともと加入していた生命保険を全て解約してしまう人がいますが、それは間違っています。

団信でカバーされるのはあくまで住宅費であり、住宅ローンの支払いは無くなり家は残りますが(マンションの場合、管理費・修繕積立費はその後もかかります)、生活費や教育費まではカバーされません。団信に加入する際に、住宅費以外でどれぐらいの保障が必要なのか必要な保障額を再度試算し直し、その分の保険は残す必要があります。また、団信は住宅ローンに付帯する保険のため、住宅ローンの返済が終了すると保険の契約も終了します。がんなどの病気は高齢になるほど罹患率が上がるため、老後もそういった保障を持ちたいという場合は別途、終身タイプのがん保険や医療保険に加入しておくべきでしょう。

まとめ

団体信用生命保険にも様々な種類があり、同じような名前の商品でも金融機関によって支払い条件が異なってきます。住宅ローンを借りる際は金利だけはなく、団信の内容にも注目し、検討してみてはいかがでしょうか。また、今回のテーマにあるように家を購入した際は(団信に加入した際は)保険を見直す重要な時期ですので忘れずに保険も見直してみましょう。次回は、繰上げ返済の基礎知識と資金計画について解説していきます。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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