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第17回 相続の流れと必要な手続き

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続というと、お金持ちの家の問題というイメージがあり、うちには関係ない話と思う人が多いかと思いますが、平成27年に相続税が改正され、今まで相続税がかからなかった人達も相続税が発生するようになったり、遺産分割の問題で困っているという人達も増えてきています。しかし、相続の問題に対して事前にどのように対策すればよいのか、また、実際、相続が発生した場合、どのような手続きをすれば良いのかわからないという人が多いと思います。

そこで、今回は相続が発生したらどのような手続きをいつまでに行えばよいのか、まずは相続手続きの流れを簡単に解説していきます。そして、次回から、相続の基礎知識、相続で起こりうる問題とその解決策について解説していきます。

下記が相続発生後の手続きの流れと期限です。

■死亡届の提出(7日以内)

人が亡くなった場合、まずは死亡届を役所に提出する必要があります。

死亡届は通常は病院で作成してもらう死亡診断書と一緒になっているので、一般的には病院でもらい、必要事項を記入して作成します。期限は死亡の事実を知った日から7日以内で、死亡届けが受理されると、死体埋火葬許可証が出されるので、その許可証をもとにお葬式を行います。

また、お葬式が終わったあたりから社会保険や生命保険、公共料金等必要な手続きを順次行っていきます。

・年金受給権者死亡届けの提出(年金受給停止手続き)
・遺族年金の請求(国民年金の場合は市町村役場の担当窓口、厚生年金の場合は年金事務所)
・免許証、健康保険証、国民健康保険証、介護保険証の返却
・世帯主の変更届け
・生命保険金の請求手続き
・公共料金(電気、ガス、水道、NHKなど)の名義変更または使用中止の手続き
・クレジットカードや携帯電話の解約、
・新聞やインターネットの名義変更または解約

■遺言書の確認

遺言書が残されているかどうかを確認します。遺言書があるかないかで、その後の手続きが変わってきます。基本的に遺言書がある場合は遺言書に従ってそのまま遺産を分けていき、遺言書が無い場合は相続人達で遺産分割協議という話し合いをして遺産を分ける必要があります。また、遺言書は見つけても勝手に自分で開かないようにしましょう。

被相続人(亡くなった方)が自分で書いた「自筆証書遺言」の場合は、家庭裁判所にて「検認」という、遺言書の存在を確認する手続きが必要になってきます。

検認済証明書がついていないと、預金や不動産などの名義書換もできない場合があるのできちんと検認を受ける必要があります。一方、公正証書遺言という公証役場で作成保管する遺言書の場合は、検認手続きは必要ありません。

相続人の確定と相続財産の確認

遺言書が残されていない場合は、遺産をどう分けるか相続人達が話し合って決めなければなりません。この話し合いのことを遺産分割協議と言います。遺産分割協議にはすべての相続人が参加しなければならないため、相続人が誰で、全部で何人いるかを調査して確定する必要があります。相続人が誰かを知るためには被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本や除籍謄本、改正原戸籍謄本を取得して親族関係を確認します。例えば、再婚していて前妻との間に子どもがいる場合や、認知している子どもがいた場合などには、戸籍謄本によって判明することがあります。

また、分割の対象となる遺産が何でどれだけあるのかを把握するためや、相続税額を算出するために、全ての相続財産を確認して財産目録(財産一覧表)を作成する必要があります。遺言書が残されていた場合でも、遺言書による相続財産が一部しか記載されていなかった場合には、残った相続財産は遺産分割協議で分け方を決めなければなりません。

■相続放棄・限定承認(3ヶ月以内)

相続放棄や限定承認したい場合には3ヶ月以内に手続きする必要があります。

相続放棄とは、相続自体を放棄する手続きのことです。相続は、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれるため、例えば相続によって多額の借金が残されたとしても、相続放棄することによって、この借金を相続する必要がなくなります。

次に、限定承認とは、マイナスの財産をプラスの財産の範囲内で相続する手続きです。
例えば、マイナスの財産が500万円あり、プラスの財産が1000万円だった場合、限定承認することによりプラスの500万円だけを相続することができます。ただし、相続人全員の同意がなければできません。限定承認は3ヶ月以内に相続財産の全容を確認できない場合に有効な手続きです。

■準確定申告

亡くなった人が自営業者だった場合、通常であれば毎年2月16日から3月15日までの間に本人が確定申告をしますが、死亡してしまった場合には死亡後4ヶ月以内に残された相続人が代わりに確定申告をして、納税する必要があります。これを準確定申告といいます。4ヶ月を越えてしまうと延滞税がかかってくるおそれがあるので注意が必要です。

■遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書は特に形式が決まっているわけではないため、相続人全員が同意する内容であればどういった形式でも構わないとされています。ただし、誰がどの財産をどれだけ相続したのかが、しっかりとわかるような内容で、法定相続人全員の署名、捺印が必要となります。遺産分割協議書のひな型はインターネットでも無料でダウンロードできるので、それを使って作成しても大丈夫です。

■銀行預金の解約や相続登記

銀行預金口座の解約、払い戻しや相続登記(不動産の名義変更手続き)の際、遺言書や遺産分割協議書の提示を求められるため、遺産分割協議が終わった後に手続きをします。自筆証書遺言書の場合は、検認調書または検認済証明書が必要です。

不動産の名義変更に期限はないため、相続登記しないまま放置している人もいますが、後々トラブルになったり面倒なことになる可能性があるため早めに手続きをしておきましょう。
相続登記は自分でやるのは難しいため司法書士に依頼するのが良いでしょう。

■相続税申告と納付手続き

相続財産が基礎控除枠を超えると相続税が発生します。相続税が発生する場合、相続税の申告と納税が必要になります。この申告と納税の期限が10ヶ月以内となっており、それを超えると延滞税がかかってきてしまうため、早めの準備が必要です。また、相続税に関する特例を用いて減税となり、相続税がかからなくなった場合でも、特例を使っている場合は申告が必要となってきます。

以上が、ざっと相続の基本的な流れと手続き内容になります。

次回は、相続が発生した時に問題にならないように知っておくべき基礎知識について解説していきます。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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