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第15回 生命保険の基礎知識と考え方

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回は生命保険の基礎知識と考え方について解説していきます。

保険は私たちの身近にある金融商品で日本人の9割の世帯が加入していると言われていますが、その内容について詳しく答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。

例え信用できる保険担当者だとしても、完全に任せっきりにしていては知らないうちに自分の意向とはそれた保険に加入してしまっている可能性もあります。自分や大切な家族のために加入するものなので、最低限、自分自身で理解しておくべき所は理解しておくと良いでしょう。保険と一言で言っても様々な種類、商品がありますが、まずは大きく分けると、人にかける保険が生命保険で、ものにかける保険が損害保険となります。ただし、医療保険やがん保険については損害保険にも一部あります

よく、貯金は三角、保険は四角と言われますが、預貯金と保険の違いとして、預貯金はコツコツとお金を積み立てていき、必要な時に自由に使える金融商品で、保険はいつ起こるかもしれない万が一の時に大きなお金が必要になった場合のために備えておく金融商品です。


生命保険の基本形

生命保険には基本となる3つの形があります。
下記の3つがその基本形で、生命保険会社は各社それぞれ下記の3つの保険を応用したり組み合わせたりして様々な商品を作っています。

① 定期保険
保障期間が(○○歳までと)定まっている保険。
基本的に掛捨てで何事もなく満期を迎えた場合、支払った保険料は戻ってこない。
安い保険料で大きな保障が持てる保険。

② 養老保険
保障期間が定まっているという点は定期保険と同じだが、違う点は満期を迎えると保障額と同じ金額が満期金として戻ってくる。貯蓄機能がついているため保険料は比較的高い。

③ 終身保険
上の2つと異なり、一生涯の保障が特徴。
支払った保険料は掛け捨てではなく、解約返戻金としてお金が貯まっていく。
解約して解約返戻金を受取ると保障は無くなる。


生命保険の考え方、選び方

次に、生命保険の加入を検討した場合、どのように考え、商品を選んでいけばよいのかについて解説していきます。

ステップ1
まずはなぜ保険が必要なのか、保険に加入する目的について考えてみます。保険に加入していて、保険がおりる場合は大きく分けて下記の4つとなります。

① 死亡保障(死亡した場合に残された家族がお金を受取れる)
② 病気、ケガの治療費保障(入院や通院、手術した場合にお金を受取れる)
③ 就業不能や介護保障(病気やケガで働けなくなった時や介護状態になった時にお金を受取れる)
④ 貯蓄(保険でお金を貯めて、解約返戻金や満期金を受取れる)

自分にとって、上記4つのうちどの保障が必要なのかについて考えてみます。

ただ、どれが必要なのかといっても今の自分に何が必要で何が不要なのかの判断が難しいとは思いますので、一旦、次のステップ2に進み、それぞれ①~④でどれぐらいの保障額が必要なのかを算出してみます。算出した結果、どれが必要か不要かの優先順位をつけていきます。

ステップ2
それぞれの目的における必要な保障額と保障期間について考えます。
必要な保障額の算出方法は、下記の式によって算出します。

必要保障額=必要資金-公的保障額

ここで、公的保障額として4つの社会保障制度(高額療養費、傷病手当、遺族年金、障害年金)について知っておく必要があります。この4つの社会保障制度については前回までのコラムで解説してありますのでそちらを参考にして下さい。

例えば、死亡保障について考えた場合、必要な保障額は下記の図のようになります。

生活していく上で必要な資金(生活費や住宅費、子供の教育費など)について、普通に働いて収入があるうちは良いですが、もし父親が死亡して家族の収入が途絶えてしまった場合、公的な保障として遺族年金が受け取れます。また、持ち家で住宅ローンを組んでいた場合には団体信用生命保険に加入していることがほとんどでしょうから、住宅ローンの支払いは無くなります。そこに足りない部分を生命保険でカバーすればよいということになります。

これを具体的な数字で表すと下記のようになります。

毎月のお給料30万円が無くなる代わりに、遺族年金が12万円支給され、さらに住宅ローン返済の毎月10万円が無くなります。

そうすると、遺族年金と妻のパート収入が合わせて毎月20万円、毎月の生活費が20万円となります。これだけだとぎりぎりなので、保険によって毎月5万円プラスであれば安心して生活していけそうだと考えるのであれば、毎月5万円が、例えば定年の65歳まで、もしくは子供が独立するまで支給されるような死亡保障の商品を選べばよいということになります。また、一時金として教育費500万円分の死亡保障に合わせて加入しておけば良いでしょう。

いくらぐらいあれば、安心して生活していけるかはその家族の状況や考え方によって変わってきます。その他、病気、ケガの治療費保障や就業不能についても同様に計算していきます。

ステップ3
目的、保障額、保障期間に合わせて商品を選ぶ
ステップ1、2で決めた保障金額、保障期間にあった保険商品を、それぞれ保険会社や保険代理店の人やファイナンシャルプランナーに相談していくつか案内してもらいましょう。

ステップ4
目的別(①死亡保障、②病気ケガの保障、③就業不能や介護保障、④貯蓄)に優先順位と保障内容(保障額、保障期間)を、家計の状況をみて保険料のバランスを調整していきます。①~③全ての保障を満足に満たし、かつ貯蓄型の保険に加入出来れば理想的ですが、毎月支払っていく保険料も高くなってしまうため、どこを最優先で保障するかは決めておかなくてはいけません。優先順位は家族構成や収支の状況によってそれぞれ変わってくるとは思いますが、もし、保険に加入していなかった場合に経済的損失が最も大きいものから優先的に保障しておくと考えるのが良いでしょう。

必要な保障が不足する事や、逆に必要以上に保険に加入して過剰な保険料を支払うことも、出来れば避けたいものです。上記のステップ1~4で保険を検討していけば、保険選びで大きく失敗することは避けられるでしょう。また、既に加入している人も改めて上記の考え方で試算しなおしてみて、現状の保険が合っているかどうか確認してみると良いと思います。

最低限、下記項目については確認しておいた方が良いでしょう。

・毎月いくら支払っているか?
・更新があるか?(途中で保険料が上がるか?)
・保険料はいつまで支払うか?
・どんな時にいくらの保険金がおりるか?
・いつまで保障されているか?
・受取人は誰になっているか?

保険は長い期間、毎月支払っていくものなので決して安くはない買い物ですし、万が一の時に保障があるとないとでは、その後の人生が大きく変わってくる大切な備えです。よくわからないまま保険に加入していたという人はこの機会に見直してみることをおすすめします。

松井大輔 このコラムの執筆者
松井大輔(マツイダイスケ)
住宅資金に限らず教育資金や老後資金を含めた総合的なライフプランニングについて年間200件超の個別相談に応じているお金の専門家(ファイナンシャルプランナー)

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