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第9回 引渡し時の注意点

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物の完成後は、引渡しです。新築した住宅の引渡しに際してはいくつもの大事な注意点がありますから、これをよく理解して適切に対応しましょう。ここで挙げる注意点を怠ると、入居後の生活のなかで、若しくは将来のリフォーム・修繕のときに後悔することもあるでしょう。

1建物の完成状況を確認する

引渡しを受ける前の大事な注意点は、新築された建物の出来栄えの確認です。図面通り(発注通り)のプラン・仕様で建築されているかどうか確認すること、また施工状況に問題が無いかどうか確認することが必要です。この確認におけるチェックポイントの詳細については、「完成時のチェックポイント」を参照してください。

工事が遅延したときには、突貫工事となり、工事が雑に進められていることも多いため、この建物の確認作業はより注意を払って行う必要があります。

ちなみに、完成時に行う施主による確認は、施主検査もしくは完成検査などと呼ばれます。小さな工務店で建築した場合、この施主検査の機会を設けようとしないことがありますが、完成すれば直後に引渡しというのは、乱暴なことです。

完成日が近いにも関わらず、建築会社から施主検査の日程調整の連絡が無い場合には、施主の方から確認を取った方がよいです。「いつもは施主検査をしていない」と平気でいう会社も一部ではありますが、必ずその機会を設けてもらう必要があります。強く出た方がよいところです。

2補修工事後に再チェックする

施主検査によって補修が必要だと指摘された項目は、建築会社が補修工事(手直し工事)を行います。一部の建築会社では、この補修工事後、施主に再確認を求めずに引渡しを行おうとすることがありますが、これには注意してください。

補修工事が不十分なこともあるため、補修後に改めて現場で確認する機会を設けて適切に補修されているか確認しなければなりません。

万一、この補修後の確認において不十分な項目があれば、再度の補修と再々確認も必要です。

3完成日と引渡し日の期間に注意する

前述したように、建物の完成後、施主検査があり、補修工事があり、再確認もあります。さらに、場合によっては追加の補修工事や再々確認が生じることもあるのです。

これを考慮すれば、建物が完成してから引渡しを行うまでには、ゆとりある期間を考えておかなければなりません。完成後速やかに施主検査を行うと仮定して、完成から引き渡しまでは10日から15日程度の期間を考えておくべきでしょう。

完成日の2週間後に引越しする予定で引越し業者を段取りしていたものの、補修工事やその確認に時間を要して引越しに間に合わないということもありうるのです。完成日から引渡し、引越しまでのスケジュール調整にはゆとりをもって予定を立てておきましょう。

4残代金の支払いは完成後とする

施主検査を終えて、補修後の確認で問題なければ、遂に引渡しを受けることになりますが、その引渡しと同時に残代金を支払うことになります。

稀に、建築会社から建物が未完成であるにも関わらず、残代金の支払いを求められることがあります。一般常識として、そのようなことがあるはずがないと考える人もいるかもしれませんが、この相談は毎年のように何件かあるのです。

未完成にも関わらず残代金の支払いを請求するケースは、その会社の決算期と関わっていることが多いです。例えば、3月末が決算の締めであるため、何としても3月中に売上計上したいと考え、そのために完成していない住宅なのに完成したこととして代金請求しているケースです。

決算期との関わりから、この問題は3月・6月・9月・12月に多く発生しています。この時期に決算を迎える会社が多いからです。このなかでも最も多いのは3月です。

建築会社からこのような請求があったとき、施主は堂々と建築会社の非を述べて拒否してよいでしょう。ちなみに、建築工事請負契約書においても、引渡し日と残代金支払日は同日と記載されているはずで、完成日はそれより前の日になっていることでしょう。契約時に確認しておくとよいでしょう。

5竣工図書を受け取る

引渡しの時には、竣工図書を全て受け取ることも大事なポイントです。竣工図書とは、その住宅の現況を描いたものです。建築前には描かれたものは設計図ですが、建築前の設計図と完成時の建物の現況では、一部で相違点があることがあります。

なぜならば、建築途中で一部を変更することがあるからです。変更した内容を図面に反映しておかなければ、図面と実際の建物に相違点があるままになってしまいますから、変更点を反映した図面を作成するのです。それが竣工図書です。

図面は、将来のリフォームや修繕などの際にも役立てるものですから、竣工図書を受け取るようにしましょう。引渡し時点では竣工図書の作成が間に合っていないこともあるので、その際は引渡し後の受取り期限を決めておくとよいでしょう。

荒井 康矩 このコラムの執筆者
荒井 康矩(アライ ヤスノリ)
2003年より住宅検査・診断(ホームインスペクション)、内覧会同行、住宅購入相談サービスを大阪で開始し、その後に全国展開。(株)アネストブレーントラストの代表者。

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