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第22回 リフォーム済み中古物件に注意

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古住宅を購入したいと考えていろいろな物件を見学するなかで、リフォーム済みの中古物件に出会うことがあります。売却時点でリフォームされていることについて、プラス条件に受け取る人とマイナス条件に受け取る人がいますが、購入判断する前にメリットやデメリット、注意点について理解しておいた方がよいでしょう。

1リフォーム済み中古物件を購入するメリット

リフォーム済み中古物件の多くは、売主が不動産会社です。不動産会社が前の所有者から買い取ってからリフォーム工事を行い、再販しているケースが多くみられます。多くの場合、不動産会社は一般的に仲介されるときの相場より少し安めの価格で買い取っており、そこにリフォーム工事費用やそのほかの費用、自社の利益を乗せて販売しているのです。

それでは、リフォーム済み中古物件のメリットをいくつか紹介します。

1-1.リフォーム箇所が綺麗

最もわかりやすいメリットは、リフォーム箇所が綺麗だという点です。リフォーム済み物件とはいえ、物件によってどのようなリフォームをしているか、どの範囲までリフォームしているかについては差異がありますから、個々に見極める必要があります。

壁や天井のクロスとフローリングの張替えだけをした物件もあれば、壁・天井・床の下地材を交換・補修している物件もあります。外壁や屋根についてもリフォームしていることと、していないことがありますが、外壁・屋根は何もしていないことの方が多いようです。

また、水周り設備(キッチン・トイレ・洗面台・ユニットバス)を交換しているかどうかも大事なチェックポイントです。これらを購入後にリフォームするには、大きな費用がかかりますから重視したいポイントですね。

1-2.リフォーム資金が不要で資金計画を立てやすい

中古住宅を購入した後に、買主が自らリフォームするケースが多いですが、その場合、買主は物件を購入する資金とは別にリフォーム資金も準備しなければなりません。自己資金が豊富にあればよいですが、そうでもない場合はリフォーム資金の準備に苦労することがあります。

しかし、リフォーム済み物件であれば、その物件を購入するために借りる住宅ローンのなかで結果的にリフォーム資金も含まれる形となりますから、購入しやすくなるのです。

住宅ローンとリフォームローンの2本立てにする必要もないですし、多くの自己資金を準備する必要もないのです。

1-3.すぐに入居できる

購入してから自分でリフォームする場合は、引渡しを受けてから工事に入りますから、自分のものになってからすぐに入居することはできません。その間も元の住まいの家賃を払っていく必要があり、一時的に家賃と住宅ローンの2重払いが生じることも少なくありません。

しかし、リフォーム済み物件ならば、引渡しを受けた翌日から入居することもできますから、メリットと言えます。

リフォーム済み中古物件のデメリットと注意点

リフォーム済み中古物件を購入するのは、メリットばかりではありません。デメリットや注意点についても紹介しておきますので、購入判断の際に役立ててください。

2-1.買主が希望するリフォームをしづらい

1つ目のデメリットは、買主の希望するリフォームをしづらいということです。リフォーム済み物件を購入し、買主がさらにリフォームされたばかりの新しいものをリフォームすることは自由です。しかし、実際にはまだ新しいものをリフォームすることには抵抗があるのではないでしょうか。

また、購入価格にはリフォーム工事費用も含まれておりますから、すぐに同じ箇所をリフォームするのは資金的にも勿体ないことです。これも買主にとっては抵抗を感じることです。

2-2.リフォームで貴重な症状が隠れてしまう

リフォーム済み中古物件を購入する上で最も大きなデメリットは、その建物が出していた何らかのサインを見つけづらくなる点です。

建物が劣化していくなかで、様々な症状が出てくるものです。たとえば、壁のひび割れ、壁や天井の染みなどです。これらは、建物がどのような問題を抱えているか検討するための大事なヒントなのですが、リフォームすることでヒントとなる症状が一時的に綺麗にされてしまい、わかりづらくなるのです。

2-3.リフォーム時に必要な補修をしたか確認が困難

「2-2.リフォームで貴重な症状が隠れてしまう」と関連することですが、売主がリフォームするときに悪い症状があれば、その原因を確認したうえで原因そのものを補修してくれておればよいのですが、そうしていないことは少なくありません。

たとえば、フローリングを撤去してみたら下地材が傷んでいたので、将来のことを考えれば下地材も交換したほうがよいが、コストがかかるのでフローリングだけを張り替えたというケースがあります。入居してからすぐにフローリングの凹凸のひどさに気づいても買主には簡単には原因がわかりません。

また、天井内部にひどい結露があり部分的に構造部材の腐食やカビ被害があったのに、売主は知らないふりをして天井を閉じてしまい、買主は知らずに購入したというケースもあります。

必要な補修をせずに隠ぺいされてしまうと気づかないわけですが、リフォーム済み物件では購入してからすぐにリフォームしない(つまり解体などをしない)ために、そういった問題に何年も気づかずに放置していることがあるのです。売主が必要な補修をしてくれておればよいですが、それを確認することは困難なのです。

リフォーム済みではない物件ならば、買主がリフォームするときに問題が判明し、そのときに適切な補修をすることも可能です(費用はかかりますが)。

リフォーム済み物件を購入するならば、普段は見ることのない床下や小屋裏のなかを専門家に依頼して診てもらう(ホームインスペクションしてもらう)ことを考えましょう。これによって、防ぐことのできるリスクは多いです。

荒井 康矩 このコラムの執筆者
荒井 康矩(アライ ヤスノリ)
2003年より住宅検査・診断(ホームインスペクション)、内覧会同行、住宅購入相談サービスを大阪で開始し、その後に全国展開。(株)アネストブレーントラストの代表者。

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