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第11回 建売住宅を購入する流れ

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築住宅の取得を希望する人にとって、注文建築ではなく建売住宅を購入する人も多いでしょう。はじめて建売住宅を購入する人が知っておきたい購入の流れについてご紹介しましょう。

本題に入る前に少し建売住宅について解説しておきます。建売住宅とは、売主が企画したプランで建物を建て、完成してから販売する住宅を指していました。建てたものを売るから建売ということです。しかし、今の住宅市場では、建ててから販売開始するケースの方が少なく、多くは建築開始と同じ時期から販売しています。

物件によっては、購入者が決まってから建てるケースも増え、売れてから建てるから売り建て住宅だという人もいます。建築する前に売るケースでは、買主の希望に合わせて間取り変更などに対応する住宅もあり、買主にとってのメリットとなっているのですが、逆にトラブルも多くなっています。その辺については、また改めて解説します。

建売と言っても、完成物件を購入することもあれば、未完成物件を購入することもありますから、ここでは2つのパターンに分けて購入の流れを説明します。

(A)完成物件を購入するときの流れ

最初に説明するのは完成物件を購入するときの流れです。これは中古住宅を購入するときも概ね同じ流れになりますから、これを住宅購入の基本的な流れだと理解しておき、その他のものはこれの変形バージョンのようにとらえてもよいでしょう。

注文建築で家を建てるときの基本的な流れは以下の通りです。

  1. A-1.ライフプラン・資金計画の検討
  2. A-2.物件探し
  3. A-3.購入の申し込み
  4. A-4.売買契約の締結
  5. A-5.住宅ローンの申し込み
  6. A-6.引渡しと残代金の決済

以上が完成物件を購入する流れですが、各項目をもう少し詳しくみてみましょう。

A-1.ライフプラン・資金計画の検討

住宅購入を考えはじめたとき、最初にすべきことは人生設計の確認や資金計画の検討です。これはどのようなタイプの住宅を取得する場合でも変わりません。住宅ローンを利用するのかどうか、利用するならば借入金額はいくらまでとするのか、自己資金はいくら用意できるのかといったことを検討していく作業です。

こういった計画から、購入できる物件価格がいくらぐらいのものであるのか考えておきましょう。子育て、老後など様々なライフステージにおいてどれぐらいの資金が必要なのか検討して計画を立てることは簡単ではありません。大事な住宅購入や人生設計に関わるタイミングですから、ファイナンシャル・プランナーへ相談することも検討するとよいでしょう。

A-2.物件探し

物件探しは、不動産ポータルサイトや広告などから気になる物件があれば、不動産会社へ問い合わせて見学へ行きます。最初に見学した物件で購入を決めてしまわず、複数の物件を見ることを前提としてください。

不動産仲介業者に希望条件を伝えることで他の物件を紹介してくれることもあります。但し、不動産会社も1社に絞らず、複数の会社とコンタクトを取った方が物件探しも効率がよくなることでしょう。

A-3.購入の申し込み

いくつもの物件を見学した結果、購入したい物件が見つかれば、購入の申し込みを行います。買主から売主に対する購入の意思表示なのですが、購入申込書を提出することでこれを行います。申込時には、申込金を支払うことが一般的です。

価格交渉などの取引条件の交渉については、この購入の申し込みをきっかけとして行います。購入申込書に購入希望価格などの条件を記入して提出し、それを受け取った売主が希望価格などの条件に応じるかどうか検討して回答します。もちろん、希望を完全に拒否されることもあれば、一部まで承諾されることもあります。

購入前にホームインスペクション(住宅診断)を利用する人は、売買契約前のこのタイミングがベストです。対象物件に大きな瑕疵等が見つかった時に購入を中止することができ、購入判断の参考とすることができるからです。

A-4.売買契約の締結

購入の申し込み後に売主と買主で条件が合致すれば、売買契約を締結します。この売買契約の前までに、必ず不動産会社から重要事項の説明を受けることになっていますが、多くの場合、重要事項の説明が実施された直後に売買契約が締結されています。

契約に際して買主から売主へ手付金を支払いますが、このときに購入の申し込みの際に支払っていた申込金を手付金の一部に充当することが多いです。

A-5.住宅ローンの申し込み

売買契約を締結した後は、希望する金融機関に対して住宅ローンの申し込みを行います。売買契約の締結前に、事前審査(仮審査ということも多い)を行っておくことも多いです。

申込書類等に記入・押印して提出し、審査結果を待つことになります。この手続きは買主が自ら行うこともあれば、不動産会社が代行することも多いです。

A-6.引渡しと残代金の決済

住宅ローンの融資承認を得たあとは、いよいよ引渡しです。引渡しとは、売主から買主へ対象物件を渡すことであり、所有権の移転を行います。

引渡し日には売買代金の残金を買主から売主へと支払い、その場で所有権移転等の登記申請書等に署名・押印し、司法書士に登記申請を代行してもらいます。そして、その場で鍵を受け取ります。これ以降は買主が所有者となるのです。

この引渡しを行う前に、買主による対象物件の確認(検査的な意味あいのある内覧会)をする機会がありますが、このときに不具合等をチェックし売主へ補修を求める必要があります。売買契約前にホームインスペクション(住宅診断)を利用していない人は、このタイミングで専門家に同行してもらうケースも多いです。

(B)未完成物件を購入するときの流れ

次に未完成の建売住宅を購入するときの流れを説明します。

  1. B-1.ライフプラン・資金計画の検討
  2. B-2.物件探し
  3. B-3.購入の申し込み
  4. B-4.売買契約の締結
  5. B-5.住宅ローンの申し込み(B-6以降と逆になることも多い)
  6. B-6.着工
  7. B-7.建築途中の現場確認
  8. B-8.完成
  9. B-9.引渡しと残代金の決済

以上を見てわかるように完成物件を購入する流れと非常に似ており、「住宅ローンの申し込み」までは同じです。異なるのはそれ以降です。

但し、未完成物件の場合、金融機関へ住宅ローンの申し込みを行うタイミングはもっと後にすることも多いです。着工してからある程度、建物が出来上がってから手続きをすることもあるということです。

それでは、着工から後の流れについて少し説明しましょう。

B-6.着工

冒頭で述べたように売れてから建て始めるパターンである場合は、契約後に着工します。売主が企画していたプランを変更せずに建築する場合は、契約後すぐに着工できることが多いです。間取りなどのプランを変更してから、着工するのであれば、プランの打合せや建築確認申請などの手続きに要する日数が必要です。

B-7.建築途中の現場確認

建築途中には、工事の進捗確認や施工品質、現場管理の状態などを見ておきたくて現場へと足を運ぶ買主は多いです。敷地内へ立ち入る時は、契約しているとはいえ、まだ買主の所有物ではありませんので、売主の了解を得てから立ち入る必要があります。安全管理の問題もありますから、必ず売主や建築会社の指示には従うようにしてください。

また、施工品質のチェックを買主自らが行うことは困難ですから、買主が第三者の住宅検査会社に依頼して代わりにチェックしてもらう方法も検討しましょう。

B-8.完成

建物が完成したときには、買主による完成検査が実施されるはずです。一部の売主では、買主から要望しないとこの機会を設けないケースも確認されていますから、売買契約のときなどに完成検査の時期などについて質問しておくとよいでしょう。

完成検査も買主が対応するには困難ですから、第三者の住宅検査会社に依頼する方法も検討するとよいでしょう。

以上が建売住宅の購入の流れです。完成物件については、この流れの通りに進んでいくものですが、未完成物件では変化もあります。

たとえば、物件によっては着工していて建築中ということもありますが、完成時期が近い物件であれば、売買契約をしてからすぐに住宅ローンの申し込みを行うこともありますし、完成がまだまだ先であれば、完成が近づいてから申し込みすることもあります。しかし、不動産会社によっては早い段階で融資の承認を得るために完成が先のことであっても早い段階で住宅ローンの申し込みを迫ることも少なくありません。

ちなみに、住宅ローンの申し込みは複数の金融機関に行っても構わないので、臨機応変に対応しましょう。

荒井 康矩 このコラムの執筆者
荒井 康矩(アライ ヤスノリ)
2003年より住宅検査・診断(ホームインスペクション)、内覧会同行、住宅購入相談サービスを大阪で開始し、その後に全国展開。(株)アネストブレーントラストの代表者。

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