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第7回 マイホームの太陽光発電に関するトラブル事例

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普段の人間関係が端緒となる太陽光発電トラブル

マイホームに設置する太陽光発電機器については消費者トラブルが多く報告されており、その大半が「販売方法」や「契約・解約」に関するものといった設置者と事業者間で起こるトラブルです。

しかし、設置者と近隣住民という住民同士のトラブルも決して少なくはありません。そのような隣人トラブルは、設備オーナーの予想もしない形で発生しています。これは、トラブルを経験するほとんどの方が初めて機器を設置すると共に、どのような影響を隣人に及ぼしてしまうかが分からないからです。

もっとも、違う視点から見てみると、普段から隣人との関係性があまり良くない、もしくは「挨拶も満足に交わさない」など、太陽光発電機器の設置前からの関わり方に原因があることも多いのが事実です。普段から接点を隣人と持っていないため、機器設置にも理解を示されないばかりか、少しのことであっても隣人の気に障る、ということになってしまうのです。

ADR等、トラブル解決のための話し合いの場を持てば、こうした隣人トラブルは比較的シンプルに解決することができます。多くのケースでは設備オーナーに悪気がなかったということと、今後問題解決に取り組むことを伝え、さらに謝罪の言葉があると隣人は理解を示してくれることが多いといえます。つまり、隣人としては「気が済む」のです。ここでは、そのパターンの事例をご紹介します。

太陽光発電に関する隣人トラブルパターン

まずは、「音のトラブル」です。太陽光発電を設置するときに「パワーコンディショナー」という機器が取り付けられますが、これが動作音を発します。しかし、この音は一般的にエアコンの室外機レベル。通常であれば気になるものではありませんが、トラブルのもとになってしまうことがあります。

次に「電磁波トラブル」。「電磁波の影響で体調が悪くなった」と言われてしまうものです。相手の主観で一方的に言われてしまうこのケース。人間関係が構築できていないということがかなり大きな要因であるといえるでしょう。

また、「反射光トラブル」もあります。太陽光発電機器設置による反射光の発生は、事前に計算などをすれば分かるものです。隣人宅に反射光が当たる場合は、事前に「どの程度当たるのか」を説明することができます。軽度なものであれば、気になる時間帯のみカーテンをして欲しい旨を依頼しておくべきであると言えます。もちろん、それで隣人が納得するかは別ですが、これこそ普段からの関係づくりが重要になってくるでしょう。

マイホームに設置した太陽光発電パネルに関するADR事例

平柳 将人 このコラムの執筆者
平柳 将人(ヒラヤナギ マサト)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、大手資格取得の専門予備校LEC<東京リーガルマインド>で講師として働きつつ、中央大学法科大学院を卒業。現在、(株)M&Kイノベイティブ・エデュケーション代表取締役のほか、(一社)日本不動産仲裁機構の専務理事兼ADRセンター長を務める。

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