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第2回 注文住宅の外構予算はいくら用意しておけばよい?New!

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2回目のコラムではみなさんが一番気になるポイント「外構予算」をテーマに解説していきます。

「外構予算は決まっていますか?」

この質問に根拠をもって答えられるお客様はまずいらっしゃいません。建築費用と違って目安がないものなので、わからなくても当然だと思います。

そんな見当もつかない状況でも、何となく外構予算は100万~150万くらいでおさまれば、と考えている方が多いように感じます。

ところが残念ながら、100万~150万程度では満足のいく外構はつくれないことがほとんどです。そして最終的にお金が足りなくなって、希望より簡素な仕様になってしまったり、大幅に予算オーバーをしてしまう事が多くなります。

そうならないためには、早い段階で適切に外構の予算建てをしておくことが大切です。では具体的にはいくら用意しておけばよいのでしょうか。

「外構予算は建築費用の1~2割用意しておけばよい?」

外構費用の目安として「建築費用の1~2割を考えておきましょう」という考え方があります。1000万の建物なら100~200万、3000万の建物なら300万~600万。なるほどそのくらい用意しておけば良さそうな感じがしますね。でも実はこの考え方、全く意味がない事はご存知でしょうか。

外構費用というのは、次の項目によって大きく左右されます。

①敷地の広さ
②道路・隣地との高低差
③隣地境界の状況
④カースペース台数
⑤仕様

これらの項目は敷地や設計条件に関わる事で、建物の費用は関係ありません。建物費用の何割用意しておけば良いというのは「立派な建物を建てたら、外構にもそれなりにお金をかけないとバランスが取れませんよ」程度の意味だと考えてください。

ではそれぞれの項目を詳しくみていきましょう。

①敷地の広さと外構費用の関係

まずは敷地の広さと外構費用の関係です。

例えば次の絵を見てください。

全く同じ建物ですが、敷地の広さが違います。敷地が広ければ広いほど、外周の塀・フェンス、アプローチは長くなりお金がかかります。これだけ見ても、建物費用と外構費用は相関しないことがわかりますね。

敷地が広くなれば広くなるほど、外構費用は高くなります。これは建坪が増えれば増えるほど建築費用も上がる、という事と同じですのでイメージしやすいですね。

②高低差と外構費用の関係

次に道路や隣地との高低差と外構費用の関係です。

次の絵を見てください。

同じ広さの敷地、同じ建物ですが、道路との高低差が1m違います。高低差が大きくなればなるほど、階段が増え、土が流れ出さないようにする「土留め」の長さも増えます。
これら土留め工事は非常にお金がかかります。これだけでも100万を超えてしまうこともあるので注意が必要です。

高低差が大きくなればなるほど、外構費用は高くなります。特に道路と1m以上高低差がある土地の場合は、建築プランをする時に土留めや階段にどの程度お金がかかるのかも把握しておく事が大切です。

③隣地境界の状況と外構予算の関係

次に隣地境界の状況と外構予算の関係を見てみましょう。

隣地境界にすでに塀やフェンスがあり、新設する必要がない場合はその費用はかかりません。ですが、大規模土地分譲のように隣地境界に何もない場合は、何かしら仕切りをつくる必要が出てきます。

※既存の塀がある場合でも、違法なブロック塀や老朽化したフェンスの場合は撤去して新設しましょう。放置すると危険ですし、後から工事しようとすると余分な費用がかかってしまいます。

④カースペースの台数と外構費用の関係

次に外構費用に大きく影響するのが、カースペースの台数です。

都市部ですと1台か2台あれば十分ですが、車社会の地方では3台以上必要な家も少なくないでしょう。カースペースが増えれば増えるほど、外構費用はプラスになります。またカーポート屋根を設置する場合はさらにプラスになります。

カースペースを多く取りたい場合は、あらかじめしっかり予算建てしておく必要があります。

⑤仕様と外構費用の関係

最後は仕様と外構費用の関係です。これはイメージしやすいですね。高級な材料を使えば費用はかさんでいきます。

タイルや石を貼ったり、塗り壁やレンガ塀をつくったり、見た目の良いフェンスなどを採用すると費用はあがっていきます。

「外構費用は見積もるまでわからない」

外構はこのように土地・設計条件によって費用が大きく変わるので、建築のように坪単価で計算することができません。またハウスメーカーに任せるか、外構専門業者に依頼するかでも3割以上違ってきます。一般的にハウスメーカーに依頼した場合、中間マージンが乗るため費用は高くなります。外構専門業者間で比較しても、安い業者、高い業者、会社によって値付けは様々です。

そのため私たち専門家でも、図面を見ただけでは金額はわからないのです。それではどのように予算建てしたらよいのでしょうか?

それは、間取りが決まったら建築会社に外構プランと概算見積もりを出してもらう事。

これでだいたいの予算感をつかみましょう。多くの場合、思った以上に費用がかかることに気づくと思います。土地購入前であれば、もっと外構費用のかからない土地を探しなおすというのも一案です。間取り検討中であれば、建築プランの変更によって外構費用がかからないプランに修正することもできます。建築予算を少し落として、外構にまわすという事もできます。建築着工前であれば、全体を見直す事が容易です。

建築工事が進んで竣工が迫った頃に、慌てて外構計画を考え始める。このケースが一番失敗する確率が高くなります。この段階では外構仕様を落とすしか、できることがないからです。

総予算から建築費用を引いて、余ったお金を外構にまわす、という考え方は捨てましょう。予算オーバーの元です。外構は仕様を落としたり、業者を替えさえすれば、いくらでも安くなるわけではありません。必要最低限の工事に予想以上にお金がかかる事を知っておいてください。

「外構予算のまとめ」

以上、外構予算についての解説でした。とにもかくにも一番大事なのは、外構計画を早めにスタートして見積もりを入手し、予算感をつかむことです。

おさらいポイント

できる限り早く外構見積もりを取ろう。

外構費用は見積もりするまでわからないと心得よう。

敷地が広いほど費用がかかる。

道路と敷地の高低差が大きいほど費用がかかる。

土地を選ぶ時は隣地境界をチェック。

車台数が多い場合は外構予算を多めに確保。

意外とかかる外構費用。後から慌てない様にしっかり準備してくださいね。

藤﨑 香奈子 このコラムの執筆者
藤﨑 香奈子(フジサキ カナコ)
エクステリア・ガーデンデザイナー。二級建築士。6000棟以上の外構設計に携わる。建築工務店を経て、2007年にフリーランスとして独立。建物にマッチした使いやすくおしゃれな外構提案を心掛けている。注文住宅の外構徹底解説

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