第31回 エアコンに関するトラブル事例


快適さはもとより、生きていく上でも必要なエアコン。「なければ絶対にいけない」ということは、「なければ非常に困り、トラブルの元にもなってしまう」ということにもなります。今回は、エアコンに関するトラブル事例について紹介します。



サービスでエアコンを設置

中古の区分所有マンションを購入したA氏は、購入時に売買仲介会社に対して「サービスでリビングルームにエアコンを設置して欲しい」と依頼をしてみたところ、仲介会社はこれを了承し、仲介会社の負担においてエアコンを設置することになりました。しかし、居住後にA氏が寝室にもエアコンを設置しようとしたところ、ベランダにエアコンの室外機をもう一基置くスペースがないということが分かりました。部屋の配置的に、A氏が望む台数のエアコンを設置するには、仲介会社が設置したエアコンを撤去し、あらたにマルチ方式のエアコン(1台の室外機で複数台の室内機の運転が可能なエアコン)を新設しなければなりませんでした。



 

問題の発端は「エアコン設置に対する制限」

 

A氏は、日常生活を健康的におくるためにも寝室にエアコンは必須であると考え、マルチ方式のエアコンを購入しました。しかし、あらためてこの問題の状況を整理すると、問題の発端は仲介会社と売主であるリフォーム会社にあるという結論になりました。というのも、重要事項説明の際、仲介会社、リフォーム会社ともに「エアコン設置に対する制限」について何の話もしていなかったからです。A氏の希望は、仲介会社の設置したエアコンの撤去費用とマルチエアコンの購入、設置費用である40万円を仲介会社、リフォーム会社が連帯して支払うということであり、この交渉のためにADRに取り組むことにしました。



納得のいかない事業者側だったが…

実施されたADRでは、エアコンの撤去、新設費用を求めるA氏に対し、仲介業者とリフォーム会社は「サービスで設置するエアコンを選んだのはA氏であり、それを勝手に交換して費用を負担して欲しいというのは納得できない」と主張しました。これに対し、A氏は調停人に「事前説明がなかったために起きたことなのに、自分だけが損害を被るのはおかしい、金額にはこだわらないから、少しでも負担して欲しい」と希望を述べたため、調停人が仲介会社・リフォーム会社側とすり合わせを行い、A氏の心情を理解したうえで、要求額の半額である20万円を支払うことで和解となりました。


ABOUTこの記事をかいた人

慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、大手資格取得の専門予備校LEC<東京リーガルマインド>で講師として働きつつ、中央大学法科大学院を卒業。現在、(株)M&Kイノベイティブ・エデュケーション代表取締役のほか、(一社)日本不動産仲裁機構の専務理事兼ADRセンター長を務める。

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