換気システムの種類について

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クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。

 

ども、クロセです!

前回、前々回と断熱材についてお話しました。

正しく施工されていれば断熱材の種類は基本的に何でもよくて、適当な厚みがあればOKという話です。

〇〇という断熱材だからすごい!
みたいな売り文句には騙されないように気をつけましょう。

 

今回は換気システムの話です。

換気とはご存じの通り汚れた空気ときれいな空気を入れ替えることです。

汚れた空気を吸っていると健康にも影響するのでとても大事なことですが、屋外の空気を取り入れるため温熱環境にも影響していきます。

そして、その温熱環境への影響は換気の種類によっても変わります。

今回は、多くの家で採用される第1種換気と第3種換気について解説しようと思います。

いずれもメリット・デメリットがあるので、自分の生活スタイルに合わせてどちらがいいか考えてみてください。

第1種換気

第1種換気とは排気と給気をどちらも機械で調整する換気システムの総称です。


第3種と比べると、多少気密が悪くても正しく換気がされやすいですが、一方で値段がやや高価であり、メンテナンス頻度も3種より多い傾向です。

また、第3種換気にはつけることができない「熱交換機能」を採用することができるのも第1種換気の特徴です。
というか、最近の第1種換気はほとんどこの熱交換機能がセットになっています。

熱交換機能とは外に空気を排気する際に、その空気から熱を奪い、奪った熱を給気に混ぜることで、外から取り入れた空気を室内の室温や湿度に近づける機能です。

図にすると下記のようなイメージです。


空気を給気する際にあらかじめ室内の温度に近い状態になるため、給気による寒い・暑いの不快感を減らすことができます。

排出されるはずだった熱を取り込むことでエネルギーの無駄が減るので一見すると光熱費も減るように見えます。

実際には熱交換機能がついている換気システムは消費電力自体が高くなる傾向にあるため、トータルで見ると光熱費が上がる場合もあるようです。

ですので、あまり光熱費が下がる効果は期待せず、あくまで快適にすごせる設備と考えるといいでしょう。

第3種換気

第3種換気とは排気を機械で行い、部屋の中を負圧にすることで給気口から空気が入ってくる換気システムの総称です。
第1種に比べると外気の影響を受けやすく、正しい換気計画のためにはより気密性が求められる換気システムです。

また、熱交換器を採用できず外気が直接入ってくるため、給気口の位置を工夫しないと不快な風を感じることになってしまいます。
(工夫例:給気口をエアコン付近に配置する、リラックスする場所を避ける等)

ただし、構造が単純なので価格が安く、メンテナンスも頻度が少なく容易です。

面倒くさがり屋を自覚されている方は、こちらを選択したほうがいいでしょう。
私もこっちを採用すればよかったと思うことがあります(;´∀`)

ダクト式とダクトレス式

ここまでで第1種と第3種の違いを説明してきましたが、それとは別に「ダクト式」と「ダクトレス式」という換気の方式があります。

ちょっとややこしいですが、第1種換気・第3種換気にそれぞれダクト式とダクトレス式が存在します。

まとめると、以下のように分類できます。

ダクト式の第1種換気
ダクトレス式の第1種換気
ダクト式の第3種換気
ダクトレス式の第3種換気

細かいことを言うと、上記以外も存在するのですがここでは割愛します。
決してめんどうだからではありません。

ではダクト式とダクトレス式を説明していきます。

ダクト式

ダクト式とは以下の図のように、各部屋にダクト(給排気用の筒)を天井や床下に張り巡らせて、そのダクトで空気のやり取りをする方式です。

ダクト式換気 PanasonicのHPより引用

熱交換機能付きの第1種換気システムでこの方式が採用されることが多いです。

仕切りが多い複雑な間取りでも効果的に換気がしやすいというメリットがありますが、空気のやり取りを管理する装置が下の図のように天井裏にあることが多く、メンテナンスが少し面倒です。

第1種換気はめんどくさい | ゲーム大好きオタクがアイ工務店で高気密・高断熱の家を目指す

天井裏にある換気システム

下の図のように壁付けにすることでメンテナンスを楽にすることはできますが、その場合はスペースが必要になります。

壁面設置も可能換気システムの壁付け PanasonicのHPより引用

余談ですが、スペースが必要でも壁付けできるなら壁付けをお勧めします。
我が家は天井付けですが、掃除する際にいちいち台を出して昇るのは月1でも面倒です。

また、天井に張り巡らせたダクトは経年で汚れていきますが、掃除をするためには専門の業者にお願いする必要があります。

そこまですぐに汚れないようなので、掃除が必要といってもかなり先の話のようですが、どこかのタイミングで実施すべきということは留意しましょう。

悪い面ばかりを挙げてしまいましたが、前述の通り複雑な間取りにも対応しやすいですし、日々のお手入れは換気システムのフィルターだけですので、あっちこっちに掃除にしに行かなくてもいいというメリットもあります。

ダクトレス式

ダクトレス式とは以下の図のように、各部屋に給気用と排気用の通り道を壁に設けて、その通り道から空気のやり取りを行う方式です

24時間換気システム センサー24システム 第3種換気 ダクトレス式換気 PanasonicのHPより引用

昔からある換気システムがほとんどこれです。

主に第3種換気でこの方式が良く使われていましたが、今はこの方式で熱交換機付き第1種換気の物もあります。

壁に設置するため、メンテナンスがしやすいですし、ダクトの掃除も必要ありません。

ただし、間取りが複雑になるほど換気経路の設計が難しくなりますし、あちこちに給気口と排気口が設置されるため、掃除をするときにいろんな場所に出向く必要があります

また、強風によって風が吹き込んでくるという欠点もありますので、給排気口の設置場所には注意しておきたいです。

第3種換気の場合は物自体も安いですし、ダクトを張り巡らせる必要もないため施工費も安く済むようです。

熱交換機付き第1種の場合も施工費は高くないですが、物自体は第3種より高くなります。
また、メンテの頻度も多く、各設置場所に掃除をしに行く必要があるので、家が広く複雑な間取りになるほどお手入れがちょっと面倒かもしれません。

それでもダクト式より安く済むので、コストを抑えたい際には有効かと思います。

結局どれがいいの?

結論から言うと、一長一短なので好みで選べばいいでしょう。

まず大体の業者では以下からの選択になると思います。

熱交換機能付きダクト式第1種換気
熱交換機能付きダクトレス式第1種換気
ダクトレス式第3種換気

コスト、メンテ、快適性はそれぞれ以下の傾向にあります。

コスト(トータルコスト)的には
高い ダクト式第1種>ダクトレス式第1種>ダクトレス式第3種 安い

日々のメンテ性では
楽  ダクトレス式第3種>ダクト式第1種>ダクトレス式第1種 めんどい
(ただし、ダクト式は将来的にダクトの清掃が必要)

快適性
快適 ダクト式第1種>ダクトレス式第1種>ダクトレス式第3種 不快

大体こんな感じです。

できるだけ安くしたりメンテをさぼりたいなら第3種、快適性を求めるなら熱交換機能付きの第1種換気がいいと思います。

光熱費についていうと、ある程度の断熱性能までは熱交換機能付きの第1種換気を採用するよりも、断熱性にコストかけたほうが快適性やエアコンの負荷低減に効果があるようです。

熱交換機能に頼るより、断熱材の厚みを増したり、窓を高断熱なものにすることが大事というわけですね。

そして最初の記事からずーっといってますが、そのあたりを含めて温熱のシミュレーションをしてくれたり相談できる業者を見つけることが大事です。

出せる予算や暮らし方からどの換気システムが自分に合っているか提案してもらってください。

終わりに

今回は換気システムについて話してみました。

正直、どの換気システムが最適かなんて言うのは我々素人が検討するのはかなり難しいと思っています。

ここには挙がっていない種類もありますしね。

一応、今回の記事でどんなものがあるか主流なものを挙げてみましたが、それぞれこんな特徴あるんだなあ程度の認識でいいと思っています。

少なくとも、テキトーなことを述べている業者はわかるんじゃないかと。

正直すべてを覚えて理解しようなんて難しいと思います。

というわけで…

自分で頑張ろうとせず、信頼できる業者を見つけて色々お任せしてしまいましょう!

というのが最適解になると思います。

では。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

2020年2月からアイ工務店と一緒に建てたマイホームに居住中。 家の中が寒いのがいやだというところから家づくりを開始した結果、高断熱高気密という言葉に出会う。 以降、いろいろ調べているうちに高断熱高気密の沼にはまり、使者を自称するようになる。