窓のお話①:サッシの材質について

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クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。

 

ども、クロセです。

先日まで梅雨入りでじめじめしてきましたが、今は晴れの日が続きカラッとしていますね。

外を歩いていると暑さがしんどい季節になってきましたが、雨の日よりはよっぽどましだなと思います。

ただ、梅雨明けはまだということなので、もしまた部屋がじめっとしてきたら、私が先日アップした記事を参考にしていただけたら幸いです。

前置きはさておき、今回から窓に関するお話を書いていこうと思います。

家の温熱環境において窓の性能というのはとても大事とされていますが、どれくらい大事かというと、以下の画像を見ていただければわかるかと思います。

般的な住まいの熱の流入・流出割合一般的な住まいの熱の流入・流出割合一条工務店HPより抜粋

なんと、半分以上の熱が窓から交換されてしまっているのがわかると思います。
(窓の数や性能で上下しますが)

その窓の性能ですが、主に「サッシの材質」と「窓ガラス」に左右されるわけですが、今回はその中でも「サッシの材質」について話してみようと思います。

ちなみに結論から申し上げますと、私は「樹脂サッシ」を推奨します。

サッシの材質について

早速ですが、サッシの材質についてどんなものがあるか、そしてそれぞれどのような特徴をもつか説明していこうと思います。

アルミサッシ

一昔前に主流だったサッシで、その名の通りアルミニウム合金で作られたサッシです。
特徴は以下の通りです。

・対候性、強度、摺動性に優れる
・普及が進んでいるためコストが安い
・熱を通しやすい素材のため断熱性能が低い

断熱性能は低いものの強度や加工のしやすさに優れており、住宅の大量供給に貢献しましたが、今では断熱性能が高い樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシが安定して量産できるようになったため、戸建てで採用されることはほとんどなくなりました。

樹脂サッシ

主に硬質塩化ビニル樹脂(PVC-U)と呼ばれる樹脂材料で作られたサッシです。
特徴は以下の通りです。

・対候性や強度はアルミサッシに劣る
・強度が低いためアルミに比べるとサッシが太い
・断熱性能は高い
・コストはアルミサッシより高い

アルミサッシよりも対候性や強度で劣ると書きましたが、実際に30~40年経過したものでも問題なく使用できており、正しく施工されていればよほどのことがない限りはそれらが問題になる可能性低いです。

もともとは寒さが厳しい北海道で普及しましたが、今は温暖な地域でもその断熱性の高さが有効であることが知れ渡り、採用する人が増えてきています。

アルミ樹脂複合サッシ

以下の図のように、アルミと樹脂を使って作られたサッシです。
図の中の青色と橙色の部分がアルミで、それ以外の部分は樹脂で作られています。

リクシルの「サーモスX」ってどんなサッシ?【技術・性能編】 | 建材ダイジェスト

LIXILのサーモスXカタログより抜粋

アルミと樹脂を併用しているためハイブリットサッシと呼ばれることもあります。

特徴は以下の通りです。

・各種耐久性や断熱性能はアルミサッシと樹脂サッシの中間くらい
・コストは樹脂サッシと同じくらいか少し安い

2021年現在において、多くのハウスメーカやビルダーでは標準仕様として採用しており、日本の戸建てで最も多く普及している窓といっても過言ではありません。

断熱性能はアルミサッシと樹脂サッシの中間くらいと書きましたが、グレードによって結構差があり、ハイグレードの物だと樹脂サッシに迫る性能を持っています。

樹脂サッシと混合されがちで誤って説明する営業さんもいられるので選ぶ際は注意して問い合わせましょう。

木製サッシ

その名の通り木材で作られたサッシです。
木製サッシというとサザエさんの家の縁側で使われるような窓を想像する方もいると思いますが…サザエさん 家 縁側 - Hōmuaidea 今現在使われている木製サッシはこんな感じで大分雰囲気が違いますし、昔の木製サッシのようにガタガタで隙間だらけということはありません。

佐藤の窓HPから抜粋

特徴は以下の通りです。

・対候性や強度はアルミサッシに劣る
・断熱性能は樹脂サッシと同等か少し高め
・コストは樹脂サッシより高い
・定期的なメンテナンスが必要

断熱性能が高く、木材のため他のサッシとは違う独特な意匠性が魅力的だが、その分コストも高くなります。

また、木製のため他の素材よりも傷みやすいため、定期的に劣化を防ぐための塗装メンテナンスが必要であるため、使用には施主の木製サッシに対するが必要でしょう。

お勧めのサッシ素材は?

冒頭にも書いていますが、私の一押しは「樹脂サッシ」です。

理由はコストに対して断熱性が優れており、対候性や耐久性もそこまで低くなく、こまめなメンテナンスも不要だからです。
(コストに関しては業者にもよりますが、アルミ樹脂複合サッシと同価格で提供する業者もあります)

私は基本的に「高高住宅」を推奨しておりますが、樹脂サッシは断熱性能が高いため、より快適な家づくりをしたい人向けといえます。

コストについても昔は高かったようですが、今は普及が進んでいるためそこまで高くなく、標準でアルミ樹脂複合サッシと選択できる業者も増えています。

耐久性に関しては昔の樹脂サッシは強度面に問題があるという話も聞きますが、私の実家の樹脂サッシは30年以上経過しているにも関わらず目立つような変色もなく、問題なく使えています。

今はその30年後でさらに性能が向上しているため、私たちが家を建ててから生きている間はまず問題ないと予想されます。

断熱性という点では木製サッシも同程度かそれ以上に高いですが、樹脂サッシに比べると価格が高く、定期的にメンテナンスをする必要があるため、木製サッシに対するこだわりというか愛がなければお勧めできません。

その点においても樹脂サッシは特にそういった手間がないので万人に勧められるのです。

また、断熱性が高いおかげで、特に冬は窓の付近のヒヤッと感を抑えられますし、以下の写真のような結露の発生を抑えることができます。

結露する窓結露する窓
HOME’S HPから抜粋

結露は主にサッシが原因で発生しますが、仕組みとしては冬の外気でサッシが冷え、そしてサッシが室内の空気を冷やすことで結露を発生させるのです。
(結露の詳細な仕組みはGoogle先生に尋ねてみてください)

しかし、樹脂サッシはアルミサッシやアルミ樹脂サッシと比較して断熱性が高く、冬の外気によって冷えにくいため結露を抑制することができるのです。

結露の発生要因はサッシの性能だけではないのですが、断熱性が高いサッシを採用することで抑制ができるため、窓が結露で水浸しになることが嫌な人は樹脂サッシの採用をお勧めします。

ちなみにクロセのお勧め順は以下の通りです。

樹脂サッシ>>>>>>アルミ樹脂複合サッシ=>木製サッシ>>>>>>>アルミサッシ

アルミ樹脂サッシと木製サッシの順番は迷いましたが、コストの高さやメンテナンスが必要なことを考慮すると木製サッシは勧めにくいです。

アルミ樹脂サッシも樹脂サッシより断熱性が落ちますが、それでもグレードが高めの製品であれば許容できる範囲だと思います。

樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシを比較

おそらく、多くの施主が樹脂サッシアルミ樹脂複合サッシのどちらかを選択されると思いますので、ここでは私の主観で比較してみようと思います。

サッシの断熱性能でいえば樹脂サッシが上であり、窓付近の快適性や結露の抑制力もこちらが上です。

一方で、アルミ樹脂複合サッシの利点は強度であり、その強度のおかげでサッシを細くできることであり、その細さに魅力を感じる人も少なくないようです。

長期的な耐久性もアルミ樹脂複合サッシのほうが優れているという話ですが、樹脂サッシでも30年以上現役で問題ないことを確認されていますので、私たちが生きている間に耐久性の違いの影響を受けることはないと思います。

アルミ樹脂複合サッシを標準仕様にしているメーカだと「樹脂サッシだと劣化しやすいですよ」などといわれると思いますが、気にする必要はないでしょう。

ひどい人だと「樹脂のバケツや洗濯ばさみはボロボロになるでしょ?」などという人もいますが、そもそもそれらとは使っている樹脂が全然違いますので同じようにはなりません。

コスト面ではアルミ樹脂複合サッシのほうがやや安い印象です。
多くのメーカではアルミ樹脂複合サッシを標準にしており、樹脂サッシはオプション扱いで追加費用をとっている印象です。

一方で、性能にこだわったメーカは樹脂サッシを追加コストなしで使えることもあります。
逆に考えると樹脂サッシを標準に据えているメーカは本物の高高住宅を建てている可能性が高いともいえるでしょう。

以上で比較を終わりますが、最後に簡単にまとめておきます。

断熱性:樹脂サッシ>アルミ樹脂複合サッシ
意匠性:アルミ樹脂複合サッシのほうが細い
耐久性:アルミ樹脂複合サッシ>樹脂サッシ
(ただし樹脂サッシも十分に高耐久)
コスト:アルミ樹脂複合サッシのほうが安い傾向

寒冷地では樹脂サッシを選んでおきたいところですが、温暖な地域であればアルミ樹脂複合サッシも意匠面やコストの観点から選択肢になるかなと思います。

ただ、温暖な地域でも冬になれば気温は0度まで下がりますし、窓に結露が発生する可能性はありますので、そのことを考えると私は樹脂サッシをお勧めしたいです。

もしアルミ樹脂複合サッシを使用する場合は、アルミ樹脂複合サッシでも比較的高性能な「サーモスX」という商品を採用することをお勧めします。

樹脂サッシであれば「APW330」が性能もよく、お求めやすい価格かなと思います。

終わりに

今回は窓の中でも比較的初歩の話をしました。

もっと細かいことをいうと樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシの中でも種類やグレードがあるのですが、そこまで話すとややこしいかなと思ってあえてあっさり目にしています。
(毎回自分の記事が長文になりすぎるので少しだけ控えました(;´∀`))

とりあえず私が言いたいことは、高高住宅を目指すならいろいろな観点から樹脂サッシがおすすめですということですね。

ただ好みもありますし、予算も無限ではないですから、それぞれの目指す家づくりに適したサッシを選んでいただけたらなと思います。

次回は窓のガラスについて話行こうと思いますので、気になった方はチェックしてください。

では。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

2020年2月からアイ工務店と一緒に建てたマイホームに居住中。 家の中が寒いのがいやだというところから家づくりを開始した結果、高断熱高気密という言葉に出会う。 以降、いろいろ調べているうちに高断熱高気密の沼にはまり、使者を自称するようになる。