気密性について②:気密測定の意義

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クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。

 

ども、クロセです。

前回の記事では気密性を示すC値についてお話をしました。
ざっくり言えば低いほど高気密という話でした。

そして記事の中ではC値を出すためには気密測定が必要という話もさせていただきましたが、今回はその気密測定のお話をしようと思います。

気密測定とはなんなのか?
気密測定を行う意味とは?

家を高気密をするためには大変重要な行為ですので、ぜひ覚えていってください。

気密測定とは?

早速ですが気密測定について説明します。

気密測定とはざっくりといえば「家の隙間を測定すること」です。

実際に気密測定をしている様子は以下の写真のような感じです。


これは実際に私の家の気密測定をしていただいたときの写真です。

窓に向けているバズーカ砲のような装置が測定機器であり、これを使って家の隙間を計測するわけです。
(細かい仕組みを説明すると長くなりそうですので検索してみてください。)

そしてこの計測結果をもとに計算することで、自分の家のC値を算出することができます。

UA値は設計値ですが、C値は実際に計測した結果から算出されるため、気密測定をしなければ自分の家が高気密かどうかもわかりません。

高高住宅を建てるなら必須でしょう。

気密測定の意義

気密測定は、それ自体は隙間を計測してC値を算出する行為です。

ただ、測定を行う意義は大きく2つあると思っています。

1つ目は施工ミスを発見するためです。

気密測定中は、家に大きな隙間があると風がよく通りますので、その風で隙間を発見できます。

また、測定結果としてC値だけでなくn値(隙間特性値)という値も計測されます。

このn値というのは1~2の値(1.3、1.7など)が出てくるのですが、1に近いほど1つ1つの隙間が小さく、2に近いほどどこかに大きな隙間があることを示しています。

このようにして、施工ミスを発見することができるわけです。

ちなみに、賢明な読者の方ならお気づきかもしれませんが、施工ミスを発見しても家が完成した後では修正することはまず不可能です。

従って、必ず1度は施工途中で気密測定を実施すべきです。
大体断熱材を入れて、防湿シートを貼付した後ぐらいが一般的かなと思います。

ここまでが1つ目の目的です。

 

2つ目は精神論的な話になりますが、大工さんへのプレッシャーです。

前回の記事でお話しましたが、C値を低く(高気密)するためには大工さんが正しく丁寧な施工を実施することが重要です。

誤解を与えないように言いますと、基本的に大工さんは一生懸命仕事してくれていると思います。

しかしながら、気密測定が予定されていると少なからず緊張感はあるよう、それによってなにもしないよりは丁寧に施工されると考えています。

私の家を施工した大工さんも、この緊張感でかなり気疲れしたようでした。

ただ、高気密の家を建てるには大事なことですから、やっはり測定を実施すること、そしてそれを大工さんに伝えておくことは重要だと考えます。

ここでも注意したいことがありまして、どんなに丁寧に施工していただいても「正しい施工方法」がわかっていなければあまり効果がありません。

そのため、高気密の家を建てたいなら普段から気密測定を実施している業者に頼むのがいいでしょう。

これらの理由から、私は気密測定が重要だと考えています。

気密測定の現状

さて、ここまでで気密測定の重要さについて話してきましたが、その現状はどうなのかというと、標準で実施していないというメーカが多くを占めるイメージです。

ハウスメーカの中でも着工件数が多いところや有名なメーカというと大体以下のようなメーカが思い浮かぶかと思います。

積水ハウス
セキスイハイム
ダイワハウス
住友林業
一条工務店
ミサワホーム
トヨタホーム
パナソニックホームズ
三井ホーム
スウェーデンハウス
ヤマダホームズ
タマホーム

この中で気密測定を全棟実施しているのは、私が知っている限り「一条工務店」「スウェーデンハウス」「セキスイハイム」の3社のみです。
(もし違ったらご指摘ください)

重要であるにも関わらず、なぜ多くのメーカが気密測定を実施しないかは、素人である私にはわかりません。

あくまで想像の範囲内ですが「コストがかかるが請求力が小さい」「高気密が必要な義務や申請がない」「いい数値を保証するのが大変」あたりが理由かなと思います。

とにもかくにも、ほとんどのメーカでは実施されていないということは覚えておいてください。

それだけほとんどの施主にとっては興味が薄い要素であり、メーカ側も重要視していません。
施主側として「隙間なく作られているのは当然」と思われている方もいるでしょう。

逆に言えば普段から気密測定を実施しているメーカはそれ相応に気密性を高めることに慣れており、高高住宅に対する意識が高いといえるので、メーカ選びの情報として使えると思います。

少し意外な話かもしれませんが、気密性を高める施工に慣れている会社でも気密測定を毎回しっかり行っています。

それだけ気密測定で隙間をみるというのは大事なことだと知っているわけです。

もし営業さんが「我々は普段から施工に慣れているので測定なんて不要ですよ」なんて言ってきたら、個人的には全く信用できないです。

 

余談ですが、木造住宅と比較すると鉄骨住宅は断熱性・気密性において不利な傾向にあります。

そのため、セキスイハイムは全棟気密測定を実施しているようですが、鉄骨系の商品だとハイレベルな高高住宅を望むのは難しいかもしれません。

気密測定のコスト

メーカが標準で実施していなくても施主が申し入れることで実施してくれますが、大体5万~10万程度と結構高く、それで断る人も多いようです。

確かに安くない費用ですし、そのお金である程度のオプションも採用できてしまいますが、気密性は住んでいる間ずーっと影響しますし、施工中に測定して隙間を埋めておかないとその後に修正することは非常に困難です。

各家庭の予算や事情があるため無理強いはできませんが、個人的には実施することを強く推奨します。

終わりに

今回は気密測定の関して話してみましたがいかがでしょうか?

改めて気密測定の意義は以下の2つだと思います。

・施工ミスの発見
・大工さんへのプレッシャー

以前の記事でもお話ししましたが、高気密であることは隙間風による不快さを防ぐだけでなく、計画通りに換気をするために必要です。

本物の高高住宅が欲しいなら、以下を問い合わせてみるといいと思います。

・気密測定の実績はあるのか(全棟実施しているとなおよし)
・測定結果はどれくらいか(最低でもC値が平均で1.0以下、できればC値0.5以下だとよい)

では。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

2020年2月からアイ工務店と一緒に建てたマイホームに居住中。 家の中が寒いのがいやだというところから家づくりを開始した結果、高断熱高気密という言葉に出会う。 以降、いろいろ調べているうちに高断熱高気密の沼にはまり、使者を自称するようになる。